自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

アメリカの大学の面接試験~面接を受けるときに心配すべきこと~

香穂の希望校の面接というかプレゼンテーションに行ってきました。香穂が受ける学科は、舞台設定関係なので、作品提出や面接が必要とされています。

現地に到着し、建物は把握したものの建物内に入る扉がみつからない。

こんな感じです。

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右側は、シャッターになっていて、完全に閉まっている。左側が防火板に番号付きの鍵がついていて、お茶室の入り口のように小さい・・。

なんかおかしい・・。大学っぽくない。


結局他の学科にいって、そこの受付の人に聞いたら、面接の担当教授に電話をしてくれ、このお茶室のような小さな小さな扉が入り口だということが、判明。

入るとちゃんと大学の学部のように先生の部屋が何個もありました。

なぜこのようなことになっているのか?というと、この学部には、衣装学科のようなものがあり、ここの卒業生は、ハリウッドで、活躍する人や、企業からの寄付が多いため、高額な衣装があるので盗難を避けるためのようです。



私は、香穂を面接の部屋まで送って近くで待ってようとおもったのですが、そこで、香穂の前に面接をうけていた女のコが今にも泣き出そうな顔で出てきた。香穂と私は、一気に緊張でぴりぴり。

香穂が

「先生が怖いんじゃないの?なんであの子はあんなに目に涙をためているんだろう?」

ともう逃げ腰になっています。

私もオロオロとしてしまいました。やっぱ、大学は厳しいので、面接でいじめられたのだろうか?


なんか、これって、小さいときに歯医者の待合いで体験した雰囲気に似ている・・。

泣きながら子供が出てきたら、子供だった自分ももう一気に緊張したあの時代です。

香穂にいったら。

「ゆみちゃん、ここ、歯医者じゃないから」

「・・・・・・・」

わかってるよっ。けど、そう思ったの!!




そんなことをおもっいると、先生がでてきて、

先生が一人いらして

“Hi,Guys. Have a seat”

とguysと複数で言われてしまったので帰えれなくなってしまい・・。

結局1時間20分も行われた面接の横にずっと座ってることになりました。

えっ。。私、英語苦手だし、英語を1時間以上聞くと、目にクマができるんだけど・・。苦痛・・・。



このような感じで始まった面接は、すごいものがありました。

いろいろ聞かれるとおもいきや、

「あなたの作品や書類、成績も全て見ました。あなたが学校生活を幸せに送れるように、この時間は、あなたからの質問の時間にしましょう」

と香穂が面接官のようになり、先生に質問を浴びせる形になりました。

なので、なにも調べずにこの学校をうけていれば、10分で終わってしまう。

香穂は、いろいろ調べていたので、シャワーのように先生に質問を浴びせました。

香穂は、ディズニーのショーの設定とかを将来できたらという夢がありますが、

「そんなのは、山のようにしたい人たちがいて、そういうことをしている人に会うことだって難しいし、夢物語。」

と思っていたら、なんと目の前の教授は、ディズニーのファンタスミックのショーを作り出した人でした。もう香穂と私は、大興奮。なんか、そういう人に会えただけでも、アメリカンドリームが叶った気になる私たち。感動です。学生も現在3名が、ディズニーで研修してるとのこと。すごい!



教授からは、最後に

「僕に合否の権限があるわけではないけど、スカラーシップのアワード(賞)のアプライは僕からしておきますのでもし、合格して、連絡がきたら、すぐに僕のEMAILアドレスにメールしてね。」

と先生に言われました。合否の権限ないのに、なんで面接やってるの?と思ったけど、そういうのはやっぱり教授会のようなところで複数の先生が集まって決めるようです。一人では決めれないということでしょう。

私と香穂は面接が終わってニコニコとしてしまいました。なんか、先生の話を聞いただけで、もう楽しかったのです。



面接中にわかったことは、なんと、香穂がうけた学科の合格者数は、5名定員だそうです。

そこに全米から大量に人が受験しているらしい。思わず私は、面接がおわってから、

「それって、自閉症として産まれるより、難しくない?」

と言ったら、香穂が

「そうだね。自閉症として産まれる方が確立としては、簡単かもねー」

って答えます。

「えっー。そんなんでいいの?焦んないの?」

と思ったのですが、ご本人、

「だって、ゆみちゃん、いつも言ってるじゃない?合否をきめるのは、相手で、私はそれはできないし、合否を決めるだけの給料をもらってないので、心配するだけ無駄だ。」って。

たしかに・・。私は、

「この大学にうかるか?とか、将来も<この会社にうかるかな?>なんていう心配をする必要はない。それは、そういうことをするためにきちんとお給料をもらっている人が、仕事としてやっている訳なので、あなたが給料もらってないのに、心配する必要はない。挑戦してベストをつくして希望のところを受けない限りは、受からない。」

と言ってきました。

けど、5名っていうのは、知らなかったんだもん・・・。




さて、次の面接会場へ移動です。次の学校は、空港近くのホテルで夜の6時から行われるので、今日は、そこで泊まることに決定

コーナー部屋にとまったために、飛行機が綺麗に見えます。

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ここでの面接は、2セット行われ、最初は、3名の先生で行われます。次は、1名の教授です。ここはわりとまともな面接が行われたのですが、学校に入ってからが、なんか年功序列のような感じがあり、教授の質問も厳しく、ちょっとひねった感じがあります。ひねくれたことを言うことをよしとしない我が家とは、なじまないものがあり・・。この大学は巨大大学なのですが、ディズニーとは、なんのつながりもない。がっくり・・。アットホームが好きな私と香穂とで、

「あぁ、なんか、ここは違う感じがするねー。相手の学校もそのことはわかってるかもねー。」

なんて、話してました。



さて、明日は、もう一校受けます。どうなることやら・・

私は夜には、もう立つのも辛くなるほど疲弊してしまいました。自分が受験する方が100倍楽です。

母親業って楽じゃない・・。