自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

アメリカの私立大学のすごさ~ペパーダイン大学Pepperdine University編~


香穂が選んだペパーダイン大学(Pepperdine University)は、グリークファミリィー方式*1を採用しています。

これはなにか?というと、ギリシャの家族という意味らしく、ギリシャは家族数が多く親族等まですごく仲良く家族ぐるみでのおつきあいをするそうです。

ペパーダイン大学はこの方式を採用し、先生や、生徒は家族のようにおつきあいするというものです。先生の自宅も敷地内にある人が多く生徒が自宅に招待されて、夕飯を頂くことはよくある光景のようです。香穂が選んだ学科においては、先生宅への泊まり込みで、セットデザインを作るというのもあるようです。

この方式がうまく回っているのだなと思ったのは、大学訪問を3回ほどしましたが、生徒の誰もが口を揃えていうのは

「○○教授が嫌だ。という話をこの大学内で聞いたことがない。」

ということでした。

ウマが合わない先生というのが元々少なく、万が一そうなってしまった場合は、すぐにクラスを代えてくれるそうです。

けど、みんなは、

「そういう理由で代える人はあまり聞いたことがなく、課外活動や授業の時間の折り合いがうまくいかず変更する生徒が圧倒的だ」

という話でした。

引っ込み思案で、争いごとや競争が大嫌いの香穂は、こういうみんなが仲良しという場所が大好きです。



そんな大学から入学に当たって、準備するものや、提出するものが送られてきました。

その中に

「予防接種の履歴」

というのがありました。

提出日は、11日です。



ところが、香穂は大学に行く前の検診が、11日にしかとれず、ツベルクリン反応の結果が間に合いません。

公立小、中学校は、この予防摂取の履歴がない子供が自宅待機になりますので、香穂はさすがに焦りました。

「ヘルスセンターに電話してみなよ。」

という私の声に、電話が苦手な香穂は

「私の学部の教授に連絡しようかなー。」

と言い始めました。

「えっ?そりゃ違うだろ。教授は事務員じゃないよ。教授は、勉強を教えるんだよっ!」

と思ったのですが、大学生になろうか?という娘に、いちいち口出しするのもおかしいので、放っておきました。

香穂は、7日の金曜日の夕方に教授にメールを書いています。こころの中で、私は

「そんなの返事帰ってくる訳ないじゃん。金曜日なんて、どの大学の授業が早めに終わって、先生はとっとと家に帰ってるよ。それに関係ない話だから、無視だよな、無視。」

と思っていたら、香穂が教授にメールして、1時間以内に教授から、

「私のほうからも、ヘルスセンターの部門に電話をしておきます。ヘルスの部門は今日はもう閉まっているので、あなたの方からも月曜日に電話してね。」

といわれて、電話番号まで記載してあります。

えっ・・・優しすぎ・・。



さて、月曜日、香穂は緊張しながらヘルスセンター部門に電話しました。

対応のいい事務の人が優しく丁寧に答えてくださって

「あなたの書類はこちらで持っておきます。11日の検査が終わってから、再度連絡をくださいね。

検査結果をFAXで送ってくれたら、すぐに入寮手続き授業の手続きを開始します。」

とのことでした。

香穂が一番心配していた

「期日までに書類が揃わないので、学校を停学になるとか、追い出されるとかのなにかの罰則はありますか?」

と聞いたら相手の方が、

「それはないので、安心してくださいね。」

ともう親切丁寧に答えてくれました。なんか、一流ホテルの対応みたいだったそうだ。


教授にすぐにお礼のメールを書いた香穂。

「先生、ありがとうござました。書類の提出は待ってくださるそうです。」

と書いたら10分以内に先生から返信が。

「あなたが、検診に行く11日が終わったら、すぐにヘルス部門に連絡してね。」

って言われてた。びっくり!なんで、教授が、11日が検診って知ってるんだろう?香穂は話してないし・・・。

本当にコミュニケーションがいい大学です。ここなら安心。


気が弱い香穂に懇切丁寧につき合ってくれるこの大学は香穂にぴったりの気がします。

留学生も多く、インターナショナルの生徒に対応する部門も充実しています。



この大学の特徴は、生徒全員が、卒業するまでに必ず外国で勉強します。

香穂は来年イギリスで舞台を担当するらしく、その前は、1週間教授の家で泊まり込んで、セットを作るそうです。

なんか楽しそうだなー。いいなー。


こんな話があったと思ったら、地元のサンノゼマーキュリー新聞(リンクは、地方版です)には、サンノゼステイト大学が補習は1回までと決まったとありました。

カリフォルニアの予算がないので、しょうがないにしても、勉強したい人にそんなに冷たくしなくても・・・。と思ってしまいます。

不景気だからこそ、しっかり勉強して社会に出る準備をしたいものなのに、授業料はあげる補習はカット・・・。教授も首を切っています。ってなんか、まったく納得できないステイトの方針でした。

*1:私はこれをギーク・ファミリィー方式と友達に言い、Geekだったらそんなに家族みたいに親密にしないと思うよ。Geekは、1人でやるものだからと言われました。