自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

太平洋をゆく「いしかり」。潮風と、ぬいぐるみと、笑い転げる夜

いよいよ、渡がずっと楽しみにしていたフェリー乗船の日がやってきました。 仙台港から名古屋港を目指します。出港は12時50分。乗船開始までの隙間時間を使って、ホテルで割引券をいただいたアウトレットセンターへ立ち寄ってみることに。

ところが、足を踏み入れた瞬間に思わず苦笑い。 そこにあるのは、アメリカの地元で見慣れた景色とほぼ同じ光景でした。 「ねえ、私たちアメリカに戻ればいつでもここに来れるよね?」 そんな冗談を言い合いながら、それでも割引券をしっかり使って「ずんだアイス」を堪能。そんな寄り道も、家族一緒なら楽しい思い出です。

さて、いよいよ船着場へ。 青い空の下、悠然と横たわる船体が見えてきました。

太平洋フェリー「いしかり」。 その堂々たる姿は、文句なしに「かっこいい」の一言です!

IPコラボの女の子(可愛い!)に出迎えられ、いざ乗船。 客室は「和洋室」を選びました。ベッドで休みたい香穂と、畳でゴロゴロしたい渡、二人の希望を同時に叶える魔法のお部屋です。

窓の外に広がるのは、どこまでも深い青色をした海。 船内でゆっくりランチを済ませ、船内探検をしたり、潮風を感じながら大浴場で汗を流したり。非日常の贅沢を味わっているうちに、あっという間に夕飯の時間がやってきました。

今夜は波の高さが2メートルほど。「少し揺れるかも」と酔い止めを飲んだら、親子揃って一気に眠気が襲ってきました……。

それでも、旅の夜はまだ終わりません。 睡魔と戦いながら足を踏み入れたのは、船内のゲームセンター。 馬のぬいぐるみに目を奪われた私が挑戦するも、一向に取れる気配なし。

そこへ颯爽と現れた香穂が、「あ、馬が欲しいの?」と言い放ち、次から次へとゲットしていくではありませんか。

アメリカにはこうした精巧なクレーンゲームは少ないはずなのに、なぜ……? おそらく、美大で培った「物体の重心」を見抜く眼力が、ここでは最強の武器になったのでしょう。

馬を5頭も手に入れ、ホクホク顔で帰ろうとした矢先、渡がぽつりと

「アンパンマンが欲しい」

と。 するとお姉ちゃん、これも一発で仕留めてくれました。 片や、お金を溶かすだけで何も取れなかった母……。小さくなって部屋へと戻りました(笑)。

部屋では、今日の名場面(?)を再現。 「馬たちにカツアゲされるアンパンマン」という構図を作り出してみたものの、香穂には呆れ顔をされてしまいました。

明日の朝10時30分には、名古屋港に到着です。 それまで、波の音を子守唄に、もうしばらく船上ののんびりした時間を楽しみたいと思います。