Forbesという世界有数の経済雑誌(7ヶ国語で訳されているらしい)に自閉症の親のストレスの記事が載っていました。英語版ですが、リンクはこちらです。ざっとやくすると、こんな感じです。
『自閉症の子供を育てる親のストレスは、並大抵ではない。』ということをシアトルにあるワシントン大学のリサーチ結果として発表しました。
アメリカには、150人に1人の割合で、自閉症がいます。
自閉症の親は粘り強い親が多いけれど、それでも日々のストレスは、毎日生きてゆくことに多大な負担をかけています。
自閉症の子供を育てることでもっとも難しいのは、自閉症の問題行動です。自閉症という障害はコミュニケーションスキルと社会性のスキルに問題があります。ここから起る難しい自閉症の子供の問題行動は
- 短期
- 無気力
- 社会からの脱落
- 多動
- 不適当な発言
- パニック
等があります。
数値にすると、0~4の数値内で、表現すると、一般的な発達障害の子供を育てるストレスが、2.04に対し、自閉症の子供を育てるストレススコアが2.3です。自閉症の親のストレスが高いことの原因の一つとして、自閉症は1人1人、症状が違うこともあげられます。
その他の結果からもわかるように、親のストレスをへらすのに、一番重要なことは、自閉症の子供が、各自に合った適切な援助を受けることです。
このストレスは、自閉症を子供をもつ夫婦関係にも現れています。自閉症を持つ夫婦の離婚率は高いです。
自閉症の症状に親自身が喪失してしまわないためには(燃え尽きて、なにもできなくならないようにするためには)親が休息をとることが大事だといいます。
そして、支援を得ること、他の自閉症の多くの家族と充分の連携をとることが成功するのに大事なことです。
自閉症を見る目は全て違います。そのことに家族が辛抱強くならないといけません。それでありながら、問題から逃げずに、関わり続けることが大事です。
たしかに、自閉症の子育てを15年やってみて思うことは、社会の理解と専門家たちとのやり取りとのむずかしさ、自閉症の症状との戦いです。これらが、全てストレスになって自分に襲いかかってきます。
このストレスリリースが、自閉症の子育ての鍵だといっても過言ではないと思います。
自閉症の子供を持つ夫婦の離婚率はこちらにあります。
自閉症を育てる親自身も、各自、欲しい援助も違いますし、必要なものも違います。多くの自閉症の家族の話をきいても
「全く一緒の援助が欲しい」
というケースもあまりないです。
孤立との戦いですし、いろんな誤解も受けます。
渡が診断をうけた14年前は、まだ自閉症は親の責任だと思っている人もいましたし、後天的に自閉症になったと思う人も多かったので、世間が私をみる目というのは、厳しいものがありました。
さらに、我が家の場合は渡の睡眠障害の為に、毎日眠れないので、朝、渡が学校にでて、すぐに朝寝をして体力温存をしていてもそこに知り合いから電話がかかってくると、
「寝ぼけた声ね・・。えっ~!こんな朝からお昼寝!いいわねぇ・・。」みたいに言われても
「こういう人がいると社会も生きていきやすくなっていいでしょう?」
くらい言える面の皮の厚さもなくては、自閉症の子供に見られる睡眠障害と共存なんてできません。
なかなかハードな自閉症の子育てであることは、言えていると思います。