自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

三味線

さて今日は、三味線演奏会当日。学校にいくと、渡が通う普通学級の子供と、渡のクラスだけの演奏会かとおもいきや・・。なんと事は大きくなっていた!校長先生の一声とシンシア先生の話で、学校全員が、三味線の演奏会に参加することになりました。場所もカフェテリア(食堂)になりました。演奏時間も1時間。すごすぎる・・。20分渡の部屋でやるだけだと思っていた、私のほうがオロオロ・・。けど、師匠はさすがにちがいました。はいの一言で動じることもありません。

カフェテリアには、「はずれなんじゃないの?」という気持ちと、「なにか面白いことやるのかな?」という期待が入り混じった顔が次から次へと入ってきます。全校生徒が集まったところで、校長先生のお言葉。通訳さんが、三味線について、英語で紙に書いた、カンニングペーパーをつくってくれたのですが、打ち合わせの時に校長先生が、「今日、めがね忘れちゃったのよぉ。」ということで、重要ポイントだけ覚えていただきました。師匠が紹介されて、演奏が始まりました。津軽三味線の力強い音です。数名の子供たちは、瞬きも忘れています。他の生徒たちは、1分もしないうちに、体が音楽にあわせて、動いてしまう。先生たちもここでディスコ状態になると危険なので押さえようとしていますが、自然に動く体は、なかなか、止まりません。

1曲目がおわったとたん、場内に歓声と大拍手が・・・。師匠が話そうとしても、もう拍手と歓声で、なにも聞こえません。先生がサインをだして子供たちが少し静かになったものの、頬を紅潮させている子供も多々います。三味線について、説明があり、また演奏。もう子供たちは手拍子足拍子で、すごいもんです。尺八の披露もありました。

あっという間に1時間が過ぎましたが、私が写真撮影をして周っていると私ともう一人のボランディアスタッフを捕まえて、先生たちが、口々に「すごいわ!心に響く。見て、心に響いて、感動して、鳥肌がたってしまって・・。」と鳥肌を見せる先生。私を捕まえて、「これ、すごすぎる。すごいわ。なんてすばらしい機会を子供たちにくれたの?ゆみ、すごい!!」という先生。(ちがうってば!すごいのはこれを完全にボランティアで自腹切ってやってくれてる師匠なんだってば!)

ほんと、師匠は、やはりすごかった。大歓声の中、演奏会は、終わり。生徒たちが一人一人師匠のところにかけより、ありがとうと握手をして、終わりました。私は、あの子供たちの紅潮した顔や、瞬きを忘れた顔。嬉しそうに手を叩き体をゆする子供たちが、いまでも脳裏に焼き付いています。ほんとすばらしいプレゼントを頂きました。師匠、ありがとう。このセッティングをしてくれた、校長先生とシンシア先生にも感謝です。

帰るときに校長先生が、出てきてくれて、本当にありがとう、と言ってくださいました、。

師匠には、

「ゆみさん、本当にありがとう。今日は楽しかった。ありがとう。」と言われたときは、こちらが、ウルウル・・。泣きそうでした。あぁ。なんていい一日なんでしょう!本当に私は、ついている。これも渡が持ち運んできてくれたご縁です。ありがとね、渡。

今日もビールがおいしいぞ!!