本日は、実家を後にし、東京へ向かいます。今回は、昨夜、父(子供達から見たらおじいちゃん)に伝えたかった話もした。
というのも我が家の渡は、言語療法(スピーチセラピー)に通っています。そこで今回の目標というかお題は、「共感するということ」です。人の気持ちがわかりにくいと言われる自閉症。なので、セラピストさんが、人の心に寄り添う、理解するというために、この「共感するということ」を目標におかれました。
息子は口頭でのお話があまり得意じゃなく、いつも単語を2−3語並べる程度。長く話すというのはほとんどない。
ところが、日本に来る前の言語療法のセッションで、「共感する」ということで突然おじいちゃんの話をしたそう。渡の話は下記に書きました。これを澱みなく喋ったらしい。
僕のおじいちゃんは、すごいんだ。一人で住んでいるんだと言ってすごく心配そうな顔をしたらしい。それでセラピストさんに、
「渡、それは心配、っていう気持ちなんだよ」
というと、急に話し出したらしい。
僕のおじいちゃんは、本当にすごいんだ。畑を作っていてね。僕が冬に帰るときは、大根を作っているんだ。それが立派なんだ。僕は、おじいちゃんの大根を抜くのが大好きなんだ。いつも僕にぬかせてくれるんだ。夏は、野菜をたくさん作るんだ。それで、近所の人やお手伝いしてくれる人たちにあげるんだ。野菜作りは本当に難しいんだ。おじいちゃんは、野菜をみんなに分けたりして、かっこいいんだ。だから僕も野菜を作っているんだ。けど、野菜作りって難しいんだ。うまくいかなかったこともある。枯れちゃったり、鳥が食べちゃったりするんだ。けど、おじいちゃんは上手に作って人にあげたりするんだ。みんながおじいちゃんの野菜が好きなんだ。僕も頑張って野菜を作ってみんなに分けるんだ。僕のおじいちゃんは本当にすごいし、かっこいい。おじいちゃんのことを僕は、世界一誇りに思っている。
と突然、論文のごとく話して、セラピストさんは、無茶苦茶驚いたそうだ。かれこれ、20年近くは、渡と付き合っているセラピストさんは、こんなに話す渡を初めて見たそうだ。自分の好きな機関車の話とか、機関車の名前とかいうけど。普通おじいちゃんの話をすると子供というのは、「優しい」とか、「怒ったら怖い」とか、「歳をとっている」とか、割と当たり前のことを話すらしい。あまりに話すので、セッション終了後、セラピーに連れて行っている香穂に、
「ねぇ、渡っておじいちゃんと住んだことがあるの?あなたたち、アメリカ生まれよね?」と聞かれたそう。香穂は正直に
「人生で3-4回くらいしか会ったことないです。それも数日。渡は重い喘息があったので、飛行機に乗れるのは大きくなってからだったし。」
「そうなの?よく見てるわ。渡の観察眼はすごいわ。」
と言われた。
確かに渡は野菜を自分で作って、お世話になった人に配っているわー。
そんな渡は実家に来ると私や香穂が大声で父(祖父)と話し始めるので、とにかくうるさく、渡は慌てて2階の部屋で、自分が好きなDVDを見たりしてる。おじーちゃんが近所の人に野菜を配っている話とかは、香穂と私は知っているが、渡は2階でDVD見てるので、知らないはずだ。
けど、耳が聞こえすぎるのが自閉症。たぶん、2階に移動することによって、私たちの声が小さくなるので、実は話の内容を2階でDVD見ながらでも、じっと聞いていたのだろう...となりました。
父(子供達の祖父)は、
「おぉ、渡に褒めてもらったら、本物や。頑張って生きないとな。」と言っておりました。
すごい体験をした帰省でした。