自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

いざディズニーランドへ

ディズニーランドにいってきました。これはおもしろかった!まず渡。彼の目的はお姫様。

ディズニーランドには、ビビデバビデヴーというお姫様のお化粧、髪の毛、ドレスを着させてくれるお店があり、子どもたちはここで着替えて、(もちろん有料!)お姫様になり、カリフォルニアアドベンチャーに向います。ここにAriel's Grottoというレストランがあります。このレストランの設定は、Ariel(人魚姫)が主催のパーティでそこにお姫様達が呼ばれるというものです。なので子どもたちはおめかしして参加。家族連れや、カップルの方も居ますが。

渡はどこでかぎつけたのか、ここにお姫様が集るということを知り、

「僕は公文をたくさんやるし、紳士だし、とても勇気もあるし・・・。」

と突然私に自分を売り込んできました。何を言ってるか?まったく意味不明の私。そうしたらお姉ちゃんがすぐに

「で、なにが欲しい訳?」

"Ariel's Gratto"

あっーそういう訳ね。

けど、ここ高いよー。

と思ったのだけど、お姉ちゃんとも協議の結果、行かせる事に決まりました。

ここは予約制なので、明日連れて行くと説得しました。

すると、その日は早々にホテルにもどり、公文の宿題を片付けようとしだし、一気にモチベーションがあがっています。明日の準備も開始。アングリーバードのTシャツを着て行くと、キャラクターが声をかけてくれるので、自分の明日着る服は決定。(私は毎晩洗濯係です)

さて、当日。

現地で、眠れる森の美女に腕を組まれた渡。

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完全に固まっています。もううごけない。手なんて、かたまって蝋人形のようです。顔はひきつって笑ってるし。

さらに!今回の一番のお目当ては、シンデレラ。渡、ほとんど自分を見失っています。

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目が泳いでるよっ!

笑った。

さて、ここから、お姉ちゃんは強し!です。撮影した写真をほしがる渡。香穂は

「あのね、公文が1つできたら1枚。そんなにね。簡単になんでも貰えるって思っちゃいけないの。公文したら1枚づつ、渡のPCに入れてあげる。」

えっー!!そりゃ厳しい。けど、30枚あるので、すごい勢いで公文の宿題ができそうです。

この作戦は大成功でした。

さて、このアングリーバードのTシャツ。これに関してが凄いことがありました。

というのは、いつもはほとんど話さない渡。単語しか言わないのですが、大好きなメアリーポピンズと写真を取る。というので、一番に並んだところ....。(周りの人がキャラクターにまだ気がついていなかった)なんと大好きなメアリーポピンズが渡に話しかけてくれた。

これは渡の人生では大きな事件です。たぶん、ずーっとおっかけしてたアイドルに直接話しかけられた感じ?この時ほど渡に言葉が必要な時はなかったのでしょう。渡は、大好きなメアリーポピンズに必死で答えます。私。カメラをかまえて呆然。

しばらくしてから、あっ!動画に取ればいいんだ。と気がついたけど、もう話がほとんど終わっている。

そっかー!!渡のスピーチセラピスト(言語療法士)は、メアリーポピンズだといくらでも話す訳ね...。

って。そんなことありえないってば。

さて、香穂の方。

香穂の目的はパレード。今年のパレードはとてもよくできていました。古き良き時代に戻ったというか。

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こんな感じです。

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私たちが気になるのは、パレードの入場ゲートの近くにいる黒い服の人たち。この人たちはパレードを作り出す人たちです。よーするに黒子さんですね。

パレードの最後尾が進み始めた頃に、ディレクターに話しかけてみたら?と勧めた私。香穂は照れやなので、えっーいいよ。といっていたが、人好きな私は話しかけてしまった。

すると笑顔で

「パレード楽しかった?」と聞かれました。

香穂は興奮しつつも

「とても楽しかったです。」

というと、相手も社交辞令的な話へ。

「どこからきたの?」

「大学は、LAの北にあるのですが、家はサンノゼです」

「それは、いいねぇ」

「あの一つ質問があるんですが、このような職業につくのは、どのような手順を踏めばいいんでしょうか?」

「オーディションがあってね。それを受けるんだよ」

とすごくニコニコとした対応。香穂が

「実は私、今、大学で舞台芸術を学んでいるんです。」

ディレクターの眉毛がうごいた。急に体の向きがかわり、

「えっ?どこの大学?」

「Pepperdineです。」

ここで、やっとわかったディレクター。

『こいつ、マジ。』

という認識をしたようです。

はじめは、こういう職業もいいなぁー・・。あこがれているんだよな・・だけ。だと思っていたようですが、Pepperdineの舞台芸術学科は、この世界で知らない人はいませんので、一気にその場所は緊張と興奮に包まれました。突然、ディレクターはツバを飛ばしながらすごい勢いで話し始めた。

まず、

「ディズニーのこの世界はここまでのぼりつめるのには、すごく段階があるけど、とてもやりがいがあること。その道のりは険しいがとても楽しい事。仕事としてはーディレクターもエンターテメントのディレクターとかいろいろ・・・」

と話は続き次は、香穂への質問攻撃も始まりました。横で聞いてた私が思ったこと。

「あの、これ入社試験なんですが・・・。」

っていう感じです。

びっくりです。

延々話が続き、さすがにパレードも終わりそうになったので、香穂に対して、ディレクターは自分のポジションと名前をいって、

「ぜひぜひディズニーランドでまた会おう。楽しみにしてるから。絶対にやりがいのある楽しい仕事だから!」

で二人で固く握手して別れていました。

香穂も顔を紅潮させています。

「来年の夏のインターンの試験を受けようかな・・。」

と言いだす始末。えっ、来年夏は、すでに外国が決まってるんじゃないの?それあなた、教授に言ったら、怒られるよー。ディズニーランドは逃げないけど、留学の夏のセットアップ→留学までは、来年一度だけです。

教授がすでにいろいろ準備してくれているのに・・・。さて、どうするのか?楽しみな来年夏になりそうな香穂です。