自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の成人期の勉強会と畿央大学ってすごいぞ

息子の障がい者の成人の自立についての勉強会にでてきました。朝9時に家を出て戻りは6時前。内容が濃いだけに結構ハード。渡の場合は、18歳から職業訓練のようなものがあるのですが、これが現実的には、多くの生徒が実際の職業にはむすびついていないという現実。カリフォルニアは、自閉症だけの職場とか住居を作る事が法律が厳しく、建てる事が困難なので自閉症だからといって、職があるわけでも住居があるわけでもありません。孤立させてしまうという種類の差別の一環になるのだと思う。

このセッションは12のセッションがあるのだけど、同時進行のため、出れるのは4つ。

まずは生活全般の話。自閉症の人が住める住居はもう絶対的な不足で、全米の成人障がい者の90%は親と住んでいるという衝撃の事実。

日本の保育園の待機待ちよりもひどすぎる。

自閉症が増えているのも問題を大きくしている。カリフォルニア州でリージョナルセンターに登録されている自閉症の数、7万人。リージョナルセンターは、子供の発達援助や、職業訓練や、デイプログラムなど、様々なサービスは行わます。

たとえば、大学でも、卒業後に働くために通う大学の場合は(←卒業後、無職になりたいという人はいないだろうから、大学に通う人は、ほとんどの人がそうだろうけど)支援が受けれる。

ところが、カリフォルニア州は財政事情が非常によくないので、これらのお金は年々カットされている。18歳以降は、学生時代に特別支援教育にいても、リージョナルセンターに登録していなければ、大学に通うことなどもなんらかの助けを貰う事は非常に難しい。大学内にも障がい者デパートメントがあるけど、それだけでは自閉症の子供が安心して大学にいけるということはない。7万人にまともにサービスを提供するのもできていないのだから、それ以外の人には、なにかいい助けがあることはないのだろうけど。それでも最近は増え続ける自閉症の為に、リージョナルセンターの登録が非常に難しい。どうにかならんかなーと思うカリフォルニア州


セッションは、他にもセクシャルハラスメントを学ぶセッションもありました。発達に障害があると男女ともセクハラや性的虐待に巻き込まれる確率は上がる。ゲームで負けたからと、健常の女の子が成人障がい男性のベットに潜り込むという罰ゲームに利用されたりとか。当事者は誰に助けを求めるのか?とか。知り合いを色分けして、どこまでが握手していい人か?などを学びます。

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これらは、自分が中心でそこから色で大丈夫な人、を理解していきます。距離感を学ぶこともやります。たとえ、健常のほうの女の子がわるくても言語表現の苦手な自閉症

「ぼくは悪くない。なぜなら...」という演説をお話好きな女の子よりも明確に、ばっちりのタイミングで言える事は皆無でしょう。

成人後見人のセッションでは、後見人がいない時に公的機関がどこまでの判断権をもつのか?決定権はどこにあるのか?後見人手続きをしないと、破綻していると言っても過言で無いカリフォルニアの財政で何をしてもらえるのか?は推して知るべしのよう。よーするに、借金を抱えるお金の無い遠縁の知らないおじさんに我が子を預けるようなものですね。

これらのセッションを聞いていると、18歳超えると母の負担が一気に増える気がするのは私だけじゃないだろうなー。判断が苦手な親の場合、結構大変な仕組みだなぁ。常日頃から、母親のほうが自分で判断して実行するということに慣れていないと、障がいを持つ子どもの18歳以降は大変。息子は20歳だから、これから70歳までいきるとしてもまだ50年はある。私があと50年生き延びる事が可能だとしても、その頃、私が息子を見れるほど元気ではないだろうと。

さて、渡が、どういう人たちに囲まれたいか?と考えていたのだけど、実は、数年前に私は畿央大学という奈良にある大学で授業をした事があります。この大学の驚いた事は、ここの学生さんは、すれ違うとみなさん「こんにちは」とすごく素直に挨拶してくれます。この挨拶を受けた時の清々しい気持ちは、数年だった今でも忘れない。学生達が自発的にやり始めた習慣だそうです。こういう大学ってすごいと思う。何年経ってもあの清々しい気持ちは私の中に残っているわけですね。もうあの頃挨拶してくれた生徒さんは働いていると思う。やはりこういう基本的な事って大事ですね。

ああいう学生さんが渡の周りに一杯いればなーと思う私ですが、私も学生のとき、あんなにいい学生ではなかったので、ありえないかなぁ...と。本当に感動。ああいう人に囲まれて生きれれば、渡も幸せなんだろうなーと思いました。

さて、これからも、渡のやりたい事が出来る様に、サポートとしては、がんばるぞーと思った今日でした。渡は、したい事があるので、やっぱ親は応援するしかないしなぁ。