自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

新入生来る!

渡のクラスは、8月の末に新学年がスタート。日本の4月8日と同じです。

今年は、留年組みが3名卒業して、2名の新しい生徒が入ってきました。

卒業生のうち1名は、新しくきたお母さんが、子どもを産んで、多動の彼が落ち着かないために、お母さんが彼をそだてられなくなり、完全に施設に住むことになりました。

そこから別の学校に、通うことになったので、引越ししていってしまって、学区もかわりました。あと2名は、中学に進級です。新しい2名は渡から見ると小さくて、かわいい。3学年ちがうし、ここのところ背が伸びてきた渡は、特にお兄ちゃんに見える。2名も個性的でだんだんクラスになれてきたので、本来の自分が出つつあります。1名は、時計が大好き。特に壁にかけてある時計が好きです。秒針をみていたら、口をあけたままじっと時計をみつめて、何時間も微動だにしないらしく、ついにクラスの壁から時計がはずされました。なのでみんな時計を見たいときは、坊主めくりのように

机の上にふたされた時計をめくってみています。

もう一人の男の子は、アスペルガーと思われる子どもです。彼は、鼻歌が好き。ところが耳が敏感な渡は、人が歌う鼻歌が耐えれない。自分は歌うクセに・・。わがままだよ渡。けど、先生も

”○○、歌をとめてね”

といっているがしばらくしたら、そのコは歌い始める。渡は、

「ストーーーップ」

と耳をふさぎながら怒っています。

あまいよ。渡。アンタだって、私が静かにして!の一言だけで、静かにしてくれたことなんて、ないじゃない。

やはり、その子どもの歌は止まりません。すると突然、渡が、立ち上がって、イスを机の中にかたづけました。

「あっ、私が来ているし、カバンをもって、帰宅準備する気だな。」

と思ったら、スタスタとその子どものところへ歩いていって、そのコの肩をたたきながら、

"Excuse me. ○○、Could you stop singing a song"

「失礼ですが。○○君、歌を歌うのを止めていただけませんか?」

と丁寧語で言った。そこまでされたら、彼もピタッと歌うのをやめました。

お見事、渡。シンシア先生と私は、大笑いでした。