自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

感動した自閉症の渡の喘息専門医

渡の誕生日は昨日で、皆様からの暖かいお祝いの言葉をいただき、感動してる私たちです。ありがとうござます。

渡の誕生日ということは、そうです。IEPのシーズンです。年に1回行われる、渡の発達をチェックして1年間の目標を決める日が近いということです。今年は学区の看護婦がサボらず働いてくれているので、なんと、アレルギーの薬のエピペンの使用期限が近づいていることがわかった。なので、すぐに喘息医に連絡をとり、新しいお薬をだしていただけるように予約をとりました。

渡は生後すぐに重度のアレルギーがわかったので、0歳から通っている喘息のオフィス。こちらでは、渡は、このオフィスのこの先生。というように担当医が決まります。0歳の時に渡の先生になってくださった先生は、たまたま日系人の方でした。2歳の時に自閉症の診断がおりて、多動な渡の子育てが大変になりつつある私をいつも静かに支えてくださっておりました。実はこの先生、渡が7歳くらいの一番多動が大変なころにガンを患って亡くなりました。

ガンに罹患なされた事は同僚の先生にも内緒にされていたようで、けど、患者さんの引き継ぎはなんとなく水面下で行われていた模様。ほとんどの患者さんは自力で担当医を見つけることができますが。多動の渡をなにも引き継ぎなしに放り出すとたちまち困るのは私と渡。先生は同僚の親友の先生に

僕の患者さんで、日本人なんだけど、すごく頑張っている患者がいる。息子が多動の自閉症。お母さんは小さくて、一所懸命なんだよ。僕はあの家族は心配してるし、応援したいんだ。

と生前言ってくださっていた。なので、もういっぱいだった同僚の先生も渡の担当医として働いてくださることを決めてくださった。

その同僚の先生が現在の喘息の担当の先生。おじーちゃん先生です。いつもニコニコとおだかやかで、渡を一人の紳士と接してくださるので、渡も大好き。診ながら、

あぁー喘息だぁねぇ。渡。大丈夫だよ。薬を渡すよ。安心して。君は紳士でヒーローだからこの薬を飲めば、すぐにまた強くなれるよ。

とはげましながら、手遊びをくわえつつ、何度もほめながら、肺の雑音をはかったり酸素をはかったりしてくださった。

一通りの診察をしながらも渡の日常をも心配してくださっていて、

学校はどう?困ったことはない?プライベートでは?困ってない?

とまるで渡の本当のおじーちゃんのように、私にもいろいろ聞いてくださいました。私が

渡は毎日学校に楽しくかよっていて。お仕事のほうもしたいことが決まり、現在、データ入力のインターンをしている。たぶん、このままいくと彼は会計のアシスタントになるよ。

という話をしました。先生すごく喜ばれて、徐々に涙ぐまれました。

喘息を起こして生死をさまよったこともあります。脱走して、毎晩眠れず、どんどん私がやせていった10年間。何度、バスの運転手に重度喘息の渡がバスに乗るときの注意事項や配慮を書いてくださったでしょうか...。ほんと先生と二人三脚で渡の喘息を抑えながら大きくした感じです。

涙ぐまれながら、

すごいね。本当によかった。すごいね。渡。プロフェッショナルなんだね。僕はかなわないなー。

ジョークをいいながら看護婦さんにも報告。看護婦さんも拍手してくださって、みんなで涙ぐみ..。

ありがたい。こんな人たちに囲まれて成長できた渡は本当に幸せ者です。

ありがとうございます。

処方箋をいただき、年々高くなる薬代をセーブできるようにオフィスのあちこちから、薬のディスカウントクーポンをも集めてくださいました。

さて、渡。早く元気になって、またいろいろ出かけようね。