自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

開発リーダーが考える子供の発達に大事なこと

私は20年間、多動の自閉症の息子を育ててきたわけだけど、気がついたことは、やっぱり人間が成長するのに、大事な事ってモチベーションだと思った。普通の子供以上に息子のような発達障害を持つ子供は、すごく大事。というのは、普通の子供は「いやだけと、これをしなくてはいけない状況。」というのが割と早く理解できる。周りの空気が読めたりするからですね。けど、自閉症の息子の場合、いやなことをなぜしないといけないか?ということを考えようとはしない、いやな事は嫌なことです。

けど、嫌ことや苦手なことにもゴールがあり、人間が苦手なことや、嫌なことをすることによって目指すゴールにたどり着くと、その時に得れる知識が増える嬉しさや達成感、周りの人と約束した、がんばったらもらえるご褒美が自分への表彰状のようなものに変わってしまう嬉しさ。こういう達成感を得ることを理解することは、大事だと思った。

ということを、開発リーダーとお昼休みに話してて強く思ったわけです。

最近、障害を持つ子供のお母様が、子供の体調がよくなかったこともあり、1年間の決められたことができなかった、勉強が落ちこぼれたという相談がありました。

子供(学生)ですので、1年でこれだけ進むのが基準という学校で定められている勉強の進度のゴールもありますが、その時間軸のほうへ重大な基準値をおいて、躍起になる必要ってそこまであるのか?ということ。

開発リーダー曰く、

1年というのは、「地球が太陽の周りを1周する時間。」ただそれだけの基準です。宇宙で起こることが、子供の脳の発達ときっちりと同じなわけではないわけで、無理があるんですよね。なので、子供の成長ということを話す時に、時間軸よりももっと大事な「子供がモチベーションを持つには?」に対して、主軸を置くべきではないでしょうか?子供の知りたい感、ワクワク感、そういうものを常に刺激できるような環境を大人が提供できることに対して、もっと真剣に議論し、子供たちに与えるべきですよね。その学ぶことの目安程度の1年で学ぶ事。というのはわかるのですが…。今はまるで1学年という年数のほうが最優先になってしまっている。ワクワクするような環境、知りたいと思う好奇心を持たせれば、変わった発達をする子供さんでも、3ヶ月で1年分伸びる部分があるかもしれない。時間軸を気にしすぎると、急激に伸び始めた時に「この子は落ちこぼれてるからありえない」と思い込みがあって、気がつかないことがありますね。

あぁ、わかる、そうそう。と思いました。子育てもしてないのに、よくぞそこまで考えるんだなーと思います。

子供だって、体調の悪いときもあれば、いい時もあります。体調が悪いときが半年に渡る子供もいるかもです。

そんな時に、子供が「地球が太陽の周りを回転する時間」を押し付けられたら、とんでもないですよね。

けど、体調がいい時や、知りたい学びたいと思う時は地球の回転数よりも早い速度で脳が発達していくかもしれない。大人はもっと子供の興味や、伸びを主軸にし、その伸びを逃さないことが大事ですね。

追記... 嫌なことって、別にどうでもいい嫌なことや、人が嫌がる嫌なことをしろというのではなく、社会で、まもらないといけない社会のルールのことですぅ。たとえば、みんなが静かにしないといけない公共の場(映画館等)では、息子も静かにすることが嫌だとしても、静かにしないといけないということだったり...。