自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

息子のハロウィーンの準備から教えてもらったこと

息子の渡のハロウィーンの準備。

精神の発達遅滞も持ち合わせている彼の精神年齢はたぶん、幼稚園児くらい。自分もお菓子をもらう側になって、仮装してご近所を回りたいのだと思う。普通の日本の若い人たちでも、大人になっても仮装して、渋谷に繰り出して騒ぐ人たちもいるわけだしね。けど、彼は自分で宣言しました。
「僕は大人なので、お菓子を配ります」
と。

自分で働いて稼いだお金から、子供たちに配るお菓子をあれでもない、これでもないとお店を何軒も周り、子供たちが好きそうなものを必死で買い集めました。子供たちのために、絶対に妥協はしませんでした。全て自分のお小遣いからの支払いです。飾り付けも、とびぬけた飾り付けをできるわけでもないので、彼なりにメモみたいな紙に絵を描きました。お姉ちゃんがいたらお姉ちゃんに頼んでかっこいい絵を描いてもらったのでしょう。母の私は絵が全く描けず、鳥を描いたつもりが魚になってしまうレベルなので、母には頼めない。親バカと言われてもやっぱり単純に

「すごい!」と思う。自閉症って他者を思えないとか、自分のことしか考えられないわけじゃない。自分の殻に閉じこもっているわけじゃない。ただ「人に伝わるような表現が難しいだけなんだなー」というのがよくわかったここ数日でした。だってね。回ったお店は息子から指定されたお店7軒ほど。ネットでずっと欲しいお菓子を売っているお店を探していたみたいだ。わたしだったら1軒のお店でまとめて買って、終わらせちゃうと思う。
「どうせ貰い物だし、祭りなんだから、なんでもいいやー」

みたいな感じで。渡は、お店では、

「これはダメだ。子供が好きじゃない」

と買わない店もありました。このチョコをもらう子たちに、そのことが伝わるわけでもなんでもない。けど人を思う気持ちって、伝わる伝わらないじゃなくて本当にその相手の立場にたって、誠意を尽くす、そんなものなのかもなーと教えてもらいました。母もいろいろ学べて楽しいハロウィンの準備です。渡を信じて、お仕事をくださっている方の協力もあり、揃えることができたハロウィンのお菓子です。ありがたい限りです。