自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の渡と大学数学と体調の悪い時の解決方法

ついにこの日がやってきた!という感じの大学数学。小テストで渡は、10点満点中の5点を取って帰って来た。彼の数学人生で一番悪い点数かも。現時点での彼の点数は96点ですが、これで点数が落ちて行くことは明らか。

なんだかご機嫌斜め。非常に怒りっぽくなっている。ところが、いつもほど激しい怒りがない。なんだか、マジで体調をくずした感じ。精神的にくると本当に熱を出してしまったりする自閉症。どうするんだよぉ。このクラス、渡の高校で受けたプログラムからは今だかつて誰も受かってないんだよ。一回で通ろうっていうのが甘い気もする。


どうも、今のところは、指数法則。

二重カッコの中には、複雑な数式。さらに、指数はマイナスの分数、√2つ、どや!!みたいな。それを英語で説明しながら、数式を英語で読んで説明するのとか無理だから、私。

さらにそのたくさんの数式達に二重に√ (平方根) とかを被せられちゃうのを見てると、英語で説明するどころか、ぼんやりしてしまって、

「雨も降ってないのに、みんなでこんなにたくさん傘をさしちゃって。」

と思うくらいめんどくさい。

ありえないから。

ということで、開発リーダーにすぐに連絡する渡。これを全部英語で綺麗に説明できるのは私の周りでも開発リーダーくらいかも。連絡してるのに、それでも、元気がありません。


「では、言語セラピーのクラスが終わってから、勉強しましょう。」

となりました。

さて、言語のセラピー。渡が非常に元気がないのは、すぐにセラピストの人も見抜きました。

なにがあったの?と渡にいろいろ聞く訳で...。

渡は、

「僕は大丈夫。」

と言い張り。あんたが、大丈夫っていうことで、すでに大丈夫じゃないだろう!!と思う私。

セラピストの方が私にそっと、どうしたの?と聞かれたので、数学の小テストの点数が悪く、現在の平均点が落ちた事を伝えました。セラピストの方は、理解してるのか?と聞いてくれて、

「とりあえず、少しは理解しているけど、今日、開発リーダーが見てくれるので、どの程度の理解してるのか?は、わかると思う。本当に駄目そうだったら、公文でやりなおして、平行してやっていくとか、やめて、再履修というチョイスもあるし。渡が理解しないで勉強してても意味がないので、渡の理解度をまずは、開発リーダーが見てみます。義務教育でもないので、渡のペースを主体に。」と話しました。セラピストの方は、

開発リーダーが見てくれるのね。それだったら大丈夫。

といいながら、

渡。数学で常にいい点数が取れるっていうことは、ないのよ。人間なんだから、悪い時もあれば、いい時もある。また勉強すればいいのよ。

と言っておりました。さて、セラピーとなったのですが、なんと、渡が予兆もなく、ストンと寝た。すぐに起きたのだけど、セラピストの方は、

渡が寝た。10年近く渡をみてるけど、こんな渡をみたのは初めて。大丈夫?どうしたのかしら?体調が悪いんじゃないかしら?

となりました。私も初めての事なので、今日はセラピーはキャンセル。

セラピストの方が

渡、あなた疲れてるでしょう?しんどい時はしんどいって言っていいのよ。

と言ってくださり。どうもセラピストの人に

「これでもいいんだ。」といわれたので、私以外にもこれでいい、と言う人がいて、それが信頼置ける人だったので、ほっとして眠くなった気配もある。どっと疲れがでたみたいです。

渡がやっと口を開いて、たどたどしい英語で

僕、疲れちゃった。ホテルに行って休みたい。

セラピストと笑ってしまった。

いやー、あなた、まだ学生なんだから、普通、家に帰るでしょう!家!!セレブじゃないんだから、疲れたら家だよ!!

どこまでずーずうしんだか。どんなに疲れてても、面の皮だけは厚い渡です。