自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

負けない渡

数学の小テストでがっくりな点数をとった渡。次の日も凹むのかなーと思ったら...。まったくです。たしかにテストが帰って来た日は元気がなかったし、昨日の様に体調まで崩しました。ですが、今日は一気にやる気満々。彼の場合、クラスメイトが基準でなく、自分が基準なので、立ち直りも早いのかも。

「自分がどこまでできるか?自分は今度、頑張るし!!」

みたいな。今日は帰ってくるなり、すぐに開発リーダーのところに行き、宿題部分や今日やったプリントなどを見せておりました。

リーダーは、それらを見て、

これは、大変です。たしかに急に難しくなって来ていますね。クラスメイトの人たちも苦労していると思いますが、とにかく渡君がやる気になっていますし、いいことです。

他のクラスメイトの点数や平均点などが、気になり始めたら、勉強がおろそかになりますから。

そうかー!!そうだよね。

私が幼い頃は母からよく、

クラスの平均点数は何点だったの?

○○ちゃんもできたって、いっていた?

他の子は、どうなの?

全て他人が基準だった気がする。

そんな母を見て父は

他人に自分の子どもを売る様な事をするな。

とたしなめておりました。父はわりと個人主義でしたので、

授業は、わかるか?おもしろいか?

などのほうを重視しておりました。もちろん私は父の言葉のほうが心地よかった訳で。

考えてみれば、クラスメイトを基準っていうのはとても大変。平均点が最初から解っているわけでなく、これは、流動性があるものです。テストが帰って来てからも、

「平均点より下回った点数を取った」ということを最優先に考えると、これは、立ち直るのが大変。平均点は後から替えれないし、次の目標も何点が基準なのかわからないからです。

さらに、他の友達がどうした?というのを基準にしていると本来の「勉強して、自分の知識にする。」と言うところからは、どんどんかけ離れて行きます。

渡は、子育ての時も他人と比べられるような子どもじゃなかったので、クラスメイトとかと比べずに育児が出来た事は、彼の強運だったのかもしれません。

自分が解らない部分を解るまで頑張って勉強する。というのは、自分が基準なので、いつでもやり直しが効きます。自分が理解していないところを頑張れば、問題は解決するからです。

自分が理解していない部分はここで、と明確にできると、その教科が出来る人に、誰にでも質問できるから便利ですし。

「平均点の10点上を取りたいのですが、教えてください。」は教える側も大変ですが。

「この数学の教科書の単元7章3節がわかりません。教えてください」は数学が出来る人には教えやすいですね。

点数主義よりも、どこまで理解したか?が、もっと明確に解る方法で勉強できればいいなぁ。

渡みたいに、自分のペースで納得しながら、楽しそうに勉強してる姿をみてると、私、ここまで楽しく勉強したことあったかな?と思います。まぁ、もともと凹んでも立ち直りは早いほうかもしれませんが。

まぁ、元気に復活してくれてよかったです。また楽しんで数学をやっていってください。