自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡の水泳

渡が今日から水泳を習う事になりました。実は、私は運動の中で、器械体操と水泳が苦手。体がとても固いのです。うまれてから前屈で床に手をつけた事がないのでは?と思うくらい固い。物心ついて、前屈で膝を曲げずに床をさわれた記憶はない。学校であった運動調査で、反復横跳びとか、握力の記録は持っていますが、前屈はなんと、70歳以上の老人の平均値の中に入れられました。

私の父がいうのには、小さいときから固く、運動に一番向いてない体。だそうです。けど、運動好きですが。バレーボールとか好きです。自転車もやります。走るのも好きです。

が、水泳に関しては、渡のほうが格段うまい。渡と水の中で少しでもふざけると、沈んで危なくなるのは、いつも私。過去に私が沈んでいくのを見た事がある渡は、もうプールで私とあまりふざけません。遊ぼうとしない。

なので、水泳教室に入れてみました。

数日前から渡には、プールの教室に入るよ。と言ってあったので、嬉々としています。

けど、繰り返す言葉は同じ。

"Wata goes to pool. Pretty young women."

よーするに担当の先生は、若くてかわいい女性じゃなきゃ嫌だっていうことです。1日10回以上これをつぶやき、必死のお願い攻撃です。

あのさー渡。プールは六本木や、銀座ではありません。

女性指名はできません。気持ちは、わかるが...。たぶん、男性の方は、渡に賛同してくださる方が多いかもしれませんが、やっぱり六本木じゃないですよね。

なんせ渡は、大好きな女性は若い頃のオードリヘップバーンです。そんな先生を望んでいるようです。

あのねー渡。町のプールにヘップバーンくらいの美女がいたら、それはそれで怖いでしょう。

まーーったく違う目的でプールに参加になった渡です。

さて当日。集合場所に行く前に私は渡のゴールを記入します。

自分で勝手にワードで打ち出しです。英語記入の内容は下記です。

<渡ってこんな子供>

渡は16歳の自閉症です。話す事と目をあわす事は苦手です。こちらが話している事はわかりますが、長く話さなければ、ほとんどは理解できます。ほめられる事が大好きでほめれば、なんでもします。一人で話す事がありますが、それは、テレビの一部でレッスンに関係なく、意味はありません。心配しないでください。

<渡の水泳をはじめた訳>

渡は遺伝的に高血圧があります。担当医より、しっかり運動するようにといわれたので、はじめました。

<今回の渡のプールのゴール>

1。とにかく汗をずっくりかくこと。

2。きれいに泳ぐことには、重きをおかずたくさん泳いで疲れるようにしてほしい。

上記のことを書いた紙をラミネートして持参です。

なぜラミネートか?というと、プールは水があるところですので、紙が破れます。けど、破れた紙に書かれた言葉というのは、読んではくれますが、やはりあまり力がない。

ラミネートだと、先生もゆっくりしっかり読めるので、ラミネートしました。

さてプールに到着。担当の先生はすでに水の中です。紙をラミネートしてきてよかった。

さすがにオードリーとまではいきませんでしたが、とても優しい女性の先生でした。ラミネートを見せると真剣に読んでくださり

「O.K.できるわ。ただできないことは。1番ね。プールは少し早く歩くだけでもずっくり汗をかけます。なのでずっと泳がせるようにするけど、いいかしら?」

といわれたので、もちろん泳がしてください。と答えました。

さんざん先生と遊び、がんがん泳いだ渡は、大満足。

"See you next week! B先生!”

と、もう名前まで覚えてる。ちゃっかりしてるなー。

とりあえず成功したプール初日でした。