自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

アメリカの私立大学の実力~ペパーダインに到着しました~

さて、きのうは香穂とゆっくり話をし、朝からペパーダイン大学(Pepperdine University)に向いました。

香穂がPepperdineを受ける時に私は散々日本語で検索しましたが、なんと日本では、あまり知られていない大学だということが判明。

なので、現在留学を考える方たちの為にもこれから数日、Pepperdine Universityについて書いてゆきます。


この大学は、キリスト教系の大学ですが、ユダヤ教、仏教、ヒンズー、etc・・・といろいろな宗教の生徒在籍します。

卒業生に成功者が多く、卒業生からの大学への寄付金が多いので、潤沢な運営費があるため、全米では最も安定した経営を行っている大学ともいわれます。

そのため、学生一人頭にかけるお金が UC等の大学とは桁が違ってきます。



この事実を最初に感じたのは、Pepperdineからの手紙。現在アメリカは不況のため、UC等は、授業料を平均2割上げて、教授の首をきり、質をどんどん下げています。ところが、Pepperdineからの手紙では

「不況だからという理由で私たちは、授業料をあげたりはしない。私たちが授業料を上げる時は、あくまでも今より質の高い教育を生徒たちに与える時だ」

ということです。私は、UCやStateの教授がへったり授業を受ける生徒数が増えたりで、質が悪くなるのに授業料をあげる運営方法に疑問を抱いていました。だって、コンビニで物を買う時だって、

「これ、質が下がってるんですが、2割増の値段です」

で、購入する人がどこにいるでしょうか?

質がさがっていてもどうしてもこれが欲しい(どうしてもこの大学に行きたい)と思う場合はいいんですが、香穂は、どうもそれはなかったようです。


香穂は香穂でこのことを感じていて、

「シアター学部で使っていたペンキは、どの大学よりもいいもので、最高級のものばかり。その上、色のそろえも多くすばらしくいい。」と言います。

これで、シアターの教材費の自己負担額は、30ドルですので、すごすぎます。




「ドーム(寮)は、宮殿」と揶揄されているため、あこがれる学生は多いようで、プリンストンレビューでも環境の良さでは常にトップランキングに入ります。実際は、香穂の寮はたしかに景色は綺麗ですが、2人1部屋だし、宮殿には、ほど遠いという感じです。

香穂の机に向って見える景色はこんな感じです。

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香穂に言うと

「あっ、それは、2年になったら、成績優秀者数パーセントが入るタワーと呼ばれるドームのことじゃないかな?私は中身はしらないけど、すごい所だぞという噂は聞く。」

と言うことでした。2004年2007年には、Princeton Review のランキングで全米でCampasが美しい大学のトップに輝いています。





大学の学生数は、3000人強。香穂が受験した年は、UCが不景気のために新入生の閉め出しをかけたため、歴史上に残るような倍率だったようです。

3000という学生の数は、他大学に比べるととても少なく、ほとんどの学生通しが顔見知りという感じだそうです。



クラスは、20名以上で行われるような授業はほとんどなく、10名以下の授業がざらにあります。他大学では一般教養は100名のクラスとかが当たり前にあります。しかしPepperdienは、そういうクラスは、ひとクラスもない大学です。なので一般教養の授業の質の高さは、全米一とも言われています。

香穂は、公立高校出身で勉強する環境は決してよくなかったので、一般教養をもう少しきちんと教えてくれる大学に行きたいというので、ここも彼女の希望の条件が満たされました。




気になる大学ランキンングですが、全米でアカデミック面では、US&newsでは58位、リンクはここにあります。

プリンストンレビューでは、13位です。



情報は明日もあげてゆきますので、さて大学初日の私たちの様子です。

まず大学に入ると、レジストレーションをせねばなりません。

インターナショナルの生徒は、きのうレジストを済ませています。留学を考えている方は、このように、ネーティブとは別にレシズトが出来る大学というのは、とてもポイントが高いと思います。留学生に合った英語の速度で、説明してくれるだろうし、ネーティブと留学生だと最初に必要だと思うものが違ってくるからです。



香穂はアメリカの高校をでているので、ネーティブの人たちと一緒に登録です。

大学に入るったとたん、在校生が、お祭りのように

"welcome to Pepperdine!"

と大歓迎です。

チェックインカウンターでは、先輩たちが、オレンジ(学校のカラーです)のTシャツを着てたくさん立っています。

私たちが列に並んでいると、緊張している香穂に気がついて、PTAの方が声をかけてくださいます。

「はじめまして。僕の名前は、○○。あなたの名前は?」

「香穂です」

「どう?興奮してる?入学は楽しみ?」

「緊張してます。」

と顔面蒼白の顔で答えた香穂。

PTAの方は、香穂の緊張をほぐすため、チェックインの順番がくるまで、ずーっと話をしてくださいます。

「この大学に君が合格して来るということは、どういうことかというと、すごいことなんだよ。優秀な人しか来れないんだ。」

と延々と香穂を褒めまくります。まーよくぞ初めて会った学生にここまで褒めれるなというくらい、入学の大変さを語って、大学良さを語っています。アメリカ人の褒め上手には、脱帽です。



そのPTAの方のお話を聞いているとチェクインの順番がまわってきました。いろいろ説明をされて、最後に

「なんでも、少しでもわからないことがあったら、オレンジのシャツを着ている学生に聞いてくれ」

と言われます。おみやげに香穂と私や渡にまでPepperdineのTシャツを渡されました。すごすぎる・・・普通は学生にしかくれないよ。



周りをみるとあちこちに、オレンジのTシャツをきた学生が山のように居ます。大学の寮の部屋の前まで、車を横付けできて荷物を降ろせると言われましたので車に乗り込みます。

10箱の荷物を持って来た香穂。寮に横付けしようとキャンパス内で車を移動させているとなんと4匹の野生の鹿が、草を食べています。なんてのどか・・。



寮に行く道まで2kmほど。その道の両側には、在校生が並んで立っていて"Welcome!"と絶叫しています。

プロ野球の優勝パレードのようです。

香穂の寮の部屋の前に、車をとめたとたん、学生がだーっとやってきて、トランクをあけて私たちが箱に触れる前に全て、香穂の部屋に荷物が搬入されました。結局、私たちはなにもすることなく、香穂の部屋に荷物が搬入されました。

その学生たちの対応のいいこと言ったら・・・おどろきです。まるでホテルのボーイさんのよう。みんな素直で感じがいい人ばかりです。

本当に仲間がやって来たという歓迎ぶりです。荷物の搬入が終わったら、車が邪魔なので少しはなれた駐車場まで止めにいきました。



香穂の部屋にもどり、体育会系出身の私は、おもいっきり早く箱から荷物をだして、すぐにでも香穂が生活できるようにしました。スケジュールをみると荷物を出す時間がなさそうなくらいだったからです。

空のダンボールを解体し抱えて外にでて、車に向うと数歩進んだところで学生が走ってきて、すぐに私の箱をもって、1kmの距離をあるいて車に段ボールをのせてくれました。

なんて優しいんだろう・・。



新入生は今日から5日間、オリエンテーション(大学説明会)が行われます。親も一緒に5日間受けることができますが、英語が苦手な私は悩んでおりました。香穂は

「私は通訳する余裕もないし、渡も飽きちゃうだろから、帰ってくれていい」

というので、出ないことになりました。



荷物のセットアップが終わり、香穂は銀行関係の書類がまだ終了しておらず、事務所にいき書類を書き上げて、それを持ち私と渡だけで、近くの銀行へ持参しなくてはならなくなりました。この大学の事務所の人も

「えっ?ここホテル?」

というような対応でした。



香穂から書類を受け取った私は、

「じゃねー。」

といって、近くの銀行にむかったものの銀行でその書類が受領されず、また大学に舞い戻り。香穂は丁度早めの夕食を食べていたのでカフェに向ったら、ほとんどの親がオリエンテーションの為に残るので、家族でみんなが楽しそうにご飯を食べています。

香穂だけぽつんと1人で夕飯を食べています。さすがにこれを見た時は、ウルウルきた私。

我が家は常に誰かしらが、やってきて、夕飯はみんなでわいわいと食べていたからです。


これも試練ですね。かわいそうだけど、がんばらねばなりません。

書類の説明を香穂にしたら、香穂が自分で銀行のメインオフィスに電話して、物事は解決。


これでお別れです。

香穂に

「体に気をつけるように。寂しいのは、香穂だけじゃなくて、みんな寂しいので、みんなに話しかけてゆくように」

とはなしました。

香穂も

「Windy(我が家の猫)によろしく。」

と言い、渡には、

「渡。ママと仲良くね。私がいなくなったら、ママは、いろいろ困るだろうから、いい子でいてあげてね。渡は男の子なんだから、しっかりね」

といわれておりました。

私と香穂はHugをして、さてお別れ。

渡と自宅に向いました。

ここから渡には、大きな変化が・・。大変なことになりました。これは明日にでも書いて行きます。