自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

香穂のバンドの発表会

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さて、昨晩は、香穂の4学校があつまり学区全体のバンドの発表会でした。300名ほどが参加し、4つの音楽のグループが演奏するのですが、(アンサンブル、JAZZ,オーケストラ、合唱)、香穂は、いつもは、アンサンブルにいるのですが、今年は、そこを抜けて、ジャズバンドに入りました。理由は、今年の課題曲が、New Dawnという曲をやるからだそうです。

課題曲が発表になった時に香穂が音楽の先生に

「先生、この曲の意味がわかってて、選びましたか?」

と聞いたらしい。先生が

「えっ?知らないけど、みんなで演奏しやすいし、香穂、結構かっこいい曲だよ」

と言ったそうで、

「先生、どうしてもこれやりますか?」

と聞いたら

「どうして?」と言うので、

「これ、日本への原爆投下の時の情景を描いた曲ですよ。」

「えっ...。」

「私、日本人です。母も父も日本人です。祖父の兄は、被爆し、死んでいます。私、これ、吹きたくないし、吹けません。」

「だよなぁ、、。けど、もう4校合同でこれをやるって決まっているので、一教師が課題曲は、変更できないしなぁ。」

となったそうです。ここから、音楽の授業でみんなで曲等の議論があり、他の生徒の意見は、

「あの香穂が、嫌だって、初めて反抗してるんだよ。よっぽどなんだよ。

先生、香穂の気持ちも汲もうぜ。他にも日本人は聞きにくるよ。香穂には、香穂の思いと意思と立場があるし、日本人の人たちの気持ちもある。」

いろんな議論の結果、合同コンサートの指定曲を教師一人の一存では変更できない。となり、

香穂は、

「じゃ、私は、前まえからやりたいと思っていたJAZZに、アンサンブルのトロンボーンの人数が減るという理由で、入ることができなかったけど、今回は、JAZZにまわっていいですよね。」

で全員一致。JAZZのグループは香穂が入ってくるというので、大盛り上がり。先生は、非常に困っていたそうですが、学区の方との都合を合せてくれて、数日のちに香穂がJAZZにゆくことが決定し、丸くおさまったようです。

すごいなぁ。私の通っていた高校だったら

「だって、課題曲はこれだもの。仕方ないでしょう。ガタガタ言いなさんな。」

の一言で終わりそうだ。

曲の背景は、いろいろあるんだろうけど、私は、みんなよくがんばったと思う。いい音楽会でした。念願のJAZZに入れた香穂もすごくかっこよかったよ。アンサンブルもがんばってました。みんなすばらしかったよ。感動の夜をありがとう。