自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

私の生まれ育った大阪へ。ぬかるみ焼き、食べて来たでぇ!

大阪に朝到着。フェリーから降りて、まずは食べたかったホッケ定食。

さてさて、腹ごしらえして、荷物などをおいたり、色々雑務してたら、時間です。

お客様を大阪にお連れしましょう!思いっきり満喫していただきます。

まずは桜が咲いたと大騒ぎな住吉公園の方へ。阪堺電車で向かいます。これに載ってもらわねば。

阪堺電車というと私はこの本を思い出す。

すごく可愛い、心温まる、ほっこりする本です。

 

 

市街地の中をガタゴトと揺られて、まずは住吉大社、到着。

有名な太鼓橋。

本殿へ行く道

そこから桜が綺麗な住吉公園へ。

桜を満喫したら、ミナミに戻って大阪名物のたこ焼き「わかな」

そこから吉本新喜劇を見てもらうべく「なんばグランド花月」へ。実は私もこの年齢まで花月に行ったことがなく。こういう機会じゃないと一生行かなかっただろうな。

面白い、面白いと喜んでいただけたので、よかったです。

ということで、大阪いうたら、粉もん攻撃なので、ご所望されておられた千房(ちぼう)千日前本店へ。

千房といえば、私たちの世代は「ぬかるみ焼き」です。

さてこのぬかるみ焼き。知らない人が多いので、ここに詳しく記載します。

これは、話せば長いことながら、40年以上前(たぶん、1979年だと思う)に、笑福亭鶴瓶さんと新野新さんが日曜日の深夜にラジオで「ぬかるみの世界」という番組をやっておりました。ぬかるみというのはハマったら抜けないということです。CMなしでひたすら話し続けるというラジオ番組でした。この番組を聞く人のことを「ぬかる民(みん)」と言い、いつも聴いてる人を「どっぷりぬかる民」と言っておりました。このぬかるみの世界で葉書が採用されると「ぬかるみの世界」という千社札のシールがもらえて、これをもらえるともう「どっぷりぬかる民を関西で認定!」みたいな喜びがありました。実は私もこのシールは持っていて、筆箱に貼っていた。

クラスメイトも「えっ?ぬかる民なん?」と言われて、「うん」というと親友になれるくらいの感じでした。今みたいにネットで拡散もないので、知る人ぞ知るですね。

 

番組はCMがないわけですから、もちろんラジオ番組としての運営が難しくなっていく。そういうときに「お好み焼きの千房(ちぼう)がスポンサーになる!」と言い出されました。千房は粋なところがあって、CMなしの番組を気に入っていたリスナー(ぬかる民)のことを考えて、 CMを入れるのではなくて、番組の中で千房の話をしてということだったらしい。けど、当時、千房も千日前にしか店がなく、経営が大変で、資金繰りが難しく、あわや倒産というところだった。それなのに、スポンサーになってくれたというので、ぬかる民は、みんなで食べに行こう!という話が盛り上がりました。それで、千房に行って「ぬかるみ焼き」とオーダーすると、ミックス焼きのちょっと安い版を出してくれてることになりました。割引率は、よく覚えてないけど、200円引きか300円引き?だったと思う。これをみんなで食べに行こう!ということが「ぬかる民」の間で話題になります。ミックス焼きを「ぬかるみ焼き」という隠語で注文するだけで、安くなるのだから、あっという間に広がって、当時経営危機だった千房に、大行列が毎日できるというお店になりました。ぬかる民も番組がなくなるのは嫌だったんだと思う。ネットがない時代にあれだけ広がるってすごいと思う。

 

これだけではなく、色々な企画をこのラジオ番組である「ぬかるみの世界」では行いました。いちばん印象に残ったのは、新世界ツアーの話。当時の新世界あたりは、朝飲みする人も多く、朝から酔っ払いがたくさんいる町でした。通天閣(あのタワーのようになったものですね)に登るためには、新世界を通らないといけないために、女の子が一人でいけない場所でした。私も通天閣には成人になるまで登ったことがなかったです。

それで「ぬかるみの世界」で呼びかけて、みんなで通天閣に行こう!となりました。大阪に長くおるのに、通天閣に登れてないのは、悲しいやん。ということだったと思う。

番組の主催者側は、場所が場所だし、百人は来ないだろと思っていたみたいですが、開けてびっくり!!! なんと5000人のぬかる民が新世界にやってきてしまい、小さな町が大パニックに。結局、機動隊が出動して、場所を移動するということになりました。当時、まだ学生だったので、私は現地にいくこともなく、この結果をニュース報道で家から見ていた。ニュースでマジで大騒ぎだった。大人たちは、ぬかる民を知らないからねぇ。怖いよね。

 

話を戻して、千房は、こんな経緯があるお店です。けど、もう40年も前の話です。

「ぬかるみ焼きなんて無くなっているだろう」と思って、お店の人に話しかけてみると若いバイトらしきお兄ちゃんが

「いえいえ、日に10名くらいは、ぬかるみ焼きを注文されますよ」ということでした。ぬかる民恐るべし。40年経ってもまだ.....。

もちろん私も注文。なんと、昔と違って41%引きでした。もちろん私のグループ全員ぬかるみやきを頼んだので、全員41%引きです。すごい!やっぱ何十年も千房を知っているというだけで、ファンとしてまだ大事にされているのかなぁと思いました。ごめんね。アメリカ在住なので、毎日は通えない。

いただいたぬかるみ焼きです。なんだかとても嬉しい訪問でした。

こんなそんなで忙しい大阪の夜はふけていくのでした。