自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の渡のすごい友達

渡は大学で大好きな数学をとっていて、その授業が終わった時に女の子が入り口で待ってくれていたそうだ。

どうも、高校の1年後輩で、8月末始まりのアメリカなので、新入の大学生。たぶん、数学の授業で一緒だった生徒のようだ。普通学級の生徒ということらしいので。

学校で渡が職業訓練の先生といるところを初日に見かけてたらしく、きのう探していたのだけど、渡は見つからず、職業訓練のほうの先生を見つけたので、事情を説明して渡が取っているクラスを聞いて終わる時間を見計らって、教室の前で待っていてくれたみたいだ。

渡は嬉しいのだけど、予測しない出会いにとまどったそうで、

"Hi!"

だけいって、笑ったそうだけど、そのまま、視線が地面に。さらに、渡は話せないし。けど、それ以上に照れていたらしい。

そりゃそうだろう。

普通の男の子だって、高校時代の女友達が大学で自分の授業が終わるまで待ってくれていたら、うれしいけど、驚くわなぁ。結構、かわいい子らしい。


これは何がこうさせたか?というとたぶん、宿題。

アメリカは宿題は毎日でます。それは小学校の時から。

で、日本の場合は宿題を忘れると、先生が怒るだけで他の生徒はべつにぃ、という感じだけど、こちらで宿題を忘れるとまずは女の子たちがチェックしているようだ。

男の子も

「えっーーー!僕はきのう寝る時間を削ってやった宿題、こいつやってねぇよ。」

と思う子が多いらしい。

こうなるとどうなるか?というと、

年に数回あるグループワークの時(←グループで課題をこなす)に、宿題忘れのある子どもは全力で嫌がられるそうだ。なんだかんだと理由をつけて、グループにいることをグループが全力で阻止。同じグループが嫌だと先生に思いっきり文句を言うらしい。まぁ。アメリカなので、子ども達が好きな子達でグループを作る事が多いようだけど。

宿題忘れの多い子どもがグループ内にいるとグループワークは同じ点数がつけられるので、自分がどんなにがんばっていても、その子のお陰で点数が落ちてしまいます。だから、宿題を忘れるということは、信用も失うらしい。なので、みんな必死で宿題をする訳だ。

これが生徒をのばすのがうまい先生だと、うまくこういうことが起きない様に、グループをまとめて、忘れ物が多い子どもにきちんと指導していくのだけど、指導力のない先生の場合は、野放し。宿題忘れのある子どもはどんどん浮いてしまう。ひどい時はいじめられる事にもなるわけで。

こんなことが小学校からあるので、宿題を忘れる子は少ないのがアメリカだけど、渡が高校の時に取っていた数学のクラスは、渡がきちんと宿題をすることを見越していた女の子が複数いたそうだ。1学年下の子も混ざるシステムだった(単位毎にとればいいので、自分の計画で好きな学年の時に授業を取る)ので、たぶん、その時のクラスの生徒かと。

これは、高校の時は渡は、早めにクラスに入るので、渡の宿題を写していた子が複数いたようだ。こうなると障害があろうがなかろうが、渡のクラスでの人気度が上がる訳で。渡は可愛い子に弱いので、

わたるぅぅぅぅ~~、宿題やったぁぁぁ❤??見せてぇ❤❤

なんて言われちゃうといくらでも見せちゃう。なんなら、その可愛い子の為だけに、死んでも宿題は忘れない。なので、数学のクラスでは信用もあったし、人気もあったそうだ。

まぁ、見せてもらってた子にしたら、いい思い出だろうし、数学の先生ももちろん気がついていて、テストは渡を離れたところで受けさせていたりしたらしい。

その時の子がクラスまで来てくれた訳だ。

声かけてくれた子には素っ気なくて悪かったけど、付き合いが長かったせいか、その子も慣れたもんで、まったく意に介さずという感じでどんどん話しかけていたらしい。

なんだか、青春しちゃってるじゃん。よかったねぇ。