渡が数学のテスト勉強をしています。彼の入った数学のクラスは、結構ハード。数学は学位を取るためには、必須科目ですから大学内でもいろいろな種類の数学の授業が大量に行われています。けど、落とす人も多い。毎日数学がある上に、宿題が半端ないです。さらに3out制で3回休むとoutです。3回目で、もう座席はありません。毎日授業があるということは、風邪をひいても2日続けて休めば次の日は40度あっても学校にいかないと駄目っていうことです。そういう時は先生が優しく
「来学期に会いましょう」という宣告をしてくれるそうです。全然優しくない言葉です。
さらに、渡のクラスでは、厳しいことに、すでに最初の首切りはありました。
学校が始まって1ヶ月半で、
「現在のところで66点以下の人。もう上がり目はないので、次の週から始まるショートコースで一つ下のクラスをとって、来学期に再挑戦してく下さい。来学期会いましょう。」というお達しがあった。
これは、どういうことか?というと、数学を落とすと進級できない為に、「あっ、このクラス難しくて、駄目だ」と思った時点で、ひとまず、クラスを落とす。それで、ショートコースという、一日の授業時間数が、普通の倍の時間、数学を勉強するクラスというのがあります。一ランクおとして、復習の為にそこへ移動しろということ。けど、一日の授業時間数が長いので受講期間は短く済むので、来学期までにまたすぐに同じクラスを頭が賢くなって取れるでしょう?ということ。現在受けているクラスが駄目だと思ったら、さっさとそのクラスを捨て、今のクラスよりもひとつレベルをおとしてうけ、次の学期に再挑戦する為のコースのですね。優しいけど、非情なアメリカの大学。
その半端ないお達しがあった時は渡はまだA+のレベルにいたので、このまますこしづつ点数が落ちて、次の学期にもつれ込むか?とおもったのですが、やはり世間はそこまで甘くなく、その首切りでクラスの人数が半分になった後、急に数学が難しくなりはじめた。というのも、渡は自閉症なので、特に英語も国語も文章の内容を把握するということが苦手。
モンタン事件の様な事が起こる訳です。モンタン事件とは→こちらをクリック。
そんな渡が現在やってる数学は、全て文章題。あっちゃー、っていう感じです。読んだら、また文章が長い。さらに、例文がアメリカらしく怖かったりする。
たとえば、
「刑務所の周りに柵を張り巡らします。電流は○ボルト流します。高さは○メーター、刑務所の形は○角形で、、、、」などなど書かれていて、最終的にその柵の値段を答えるというものです。必要のない情報を落として、計算式をたて回答を導きます。私はそういうのを読むと、数式立てる前に、
なんで、大学の数学に刑務所の柵の値段??
と私は思う訳で。そうなってくると渡にとっては、???? です。
今日もテスト範囲の部分でわからないところがあり(テスト範囲がまず100ページ以上というのもカオス)私に聞きに来ました。
私も読んだのだけど、あまりに複雑すぎて解らない。
宿題も全て文章題で6ページあったりする。その他に課題でコンピューターでやる宿題も出ている。計算問題は早くできても式を起こすのが苦手なのです。けど、私にも聞かれた問題は難しすぎる。
ごめん、わからない。
と答えたら、ちょっと悲しそうな顔をして
"Mom, you work so hard."(がんばって、勉強して!)
といって、部屋にもどって行った。ショック。いや、過去には、少しがんばったんだけど。昔は、まさかこの歳の時に、英語で数学の問題を聞かれるとは思ってなかったんだよ。けど、地味に傷ついたので、今度から渡にあまりがんばって勉強しなね、と言わない様にしようっと。(笑)がんばってるのねー、すごいね。と励まそう。