自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

障がい児の大学進学

発達障害などの障害がある子どもの進学のことを勉強する会に出てきました。高校での話など、私も少しお話させてもらいました。

カリフォルニアの公立のカレッジは、18歳であること、カリフォルニアレジテンスであることなどを条件にしてるという話などを聞きました。高校卒業しているとかしていないとかは、関係ない。障がい者用のプログラムのセクションに聞けば、話が伺えます。

このあたりは大学の問い合わせればわかるので、あまり難しいことでもなさそうです。

解決しにくい問題は、やっぱりうちのような行動に問題のある自閉症は、日頃の行動が大事です。大学に入れば、行動の社会的ルールは障害があってもなくても成人としてのマナーをきちんと守り、法律を守らねばなりません。

特にセクシャルハラスメントや言動に落ち度があると

発達障害だから、許しましょう。」

と言う甘さはありません。

たとえば、クラスで好きな子がいる。休み時間にその女生徒さんについていってしまう。女生徒さんは

「ちょっとへんだな?」

くらいしか思っていないのだけど、場所の認識が苦手な自閉症は、好きな子が女子トイレに行っても一緒に入ってしまったりするそう。これも警察がすぐに介入します。アメリカの大学はキャンパスポリスという大学内に警察がありますので。

うちの渡もこのことは、小さいときから懸念しておりました。発達障害を持つ子どもは結構年齢があがってもお母さんと一緒に女子トイレに入ったりするケースが多いようです。けど、図の認識が得意な彼らは、はいる時に女子トイレのサイン覚えている。

小さい時に入れた女子トイレも入れる。女子トイレは、入ってはいけない場所だとは思っていないということ。うちの渡も自分は男子トイレに入るとわかっています。けど、これと渡が女子トイレに入ってはいけないことを理解するというのは別です。彼が男子トイレに一人で入れるようになっても、

「渡は男子トイレに入るが、女子トイレには決してはいってはいけない場所だということは誰も渡に教えてない。」

訳です。

なので、女子トイレは、絶対に入ってはいけない場所だという認識は自然にはできないので、必死で叩き込みました。

年齢が行ったから、そんなこと、わかるでしょう?と言われても歳は自分の意思で取っている訳ではないので、わかりにくい。

アメリカの場合は、男性が女子トイレに入ると、それが大学であってもセクシャルハラスメントで即逮捕になります。

さらに渡がやりそうなことは、youtubeなどの漫画などで差別用語をわからず覚えてしまって、漫画の中で皆が笑っているので、ギャグの言葉だと思い込んで意味わからずFワードや人種差別的な単語を口走るとそれも停学になるでしょう。

自分の着替えに関してもそうです。小さいときから、自室かお風呂場以外では下着は脱がないと厳しくしておかないと、

「濡れた。汚れた。」

などの理由で簡単に他の人がいる前でズボンを脱いでしまったりします。これがキャンパス内でおこるとなると、これも即逮捕でしょう。

さらにノックをするという習慣をおぼえてないと大変になります。

たとえば、クラスの誰かや先生に

「渡、Aちゃんに、これを渡してきて。」

とお願いされれば、Aちゃんが更衣室にいても渡は平気で入って、着替え中のAちゃんに、そのものを平気で渡すでしょう。渡されたAちゃんは、びっくりして叫ぶだろうし、これも警察ザタになるでしょう。

なので、小さいときから扉はノックして返事がなければ入れない(けど中に人がいない場合もあるので、なかなかこれはしつけるのに年数の月日がかかります。)

アメリカの大学は教科を落としたくらいで、すぐにやめさされませんが、こういう

「渡にはその気がなくてもやったら退学。」

という行動がたくさんあります。

これを大学に入る直前に教えてもわかりづらいですし、渡には簡単には覚えられないでしょう。

これは職場でも同じ事が言われると思います。

女子更衣室に入ろうもんなら、次の日から仕事はないだろうし・・。



さらに、アメリカの大学のテスト(期末試験)はハードです。普通の子どもでもテスト前は疲れているし、イライラしています。そのストレスは自閉症やLDの子どもの中でもアンガーマネージメント(怒りのコントロール)が苦手な子どもの場合は、ちょっとした事が喧嘩となってでることもあるそう。

相手に殴られても、やはり「やり返した」というのもとおりませし、喧嘩両成敗ですので、停学になるでしょう。話し合いで・・と言われても、周りが自閉症の子どもたちが、自分のそのときの感情などを言いづらい障害であることを理解してくれないと言葉が充分にお話できる人が有利な話し合いになってしまいます。

まだまだいろいろな心配ごとはありますが、やはりひとつづつ気ついたことや、キャンパスの専門の方などに聞いて事前に教えて対処していくのがいいと思われます。

勉強も大事だけど、それと平行して行動も小さいときからしっかりと教える事がなによりも大事だな。と思った進路説明会でした。