自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

父の偉大さ

私の父親(渡と香穂の祖父)のお話です。

私は、小さいころから、よく父に遊んでもらいました。雨の日は、家の中で、手押し車をしてもらったり、晴れた日は、サッカー、バレーボール、バトミントンを週末にしてくれるような父でした。

小さいときは、駒回し、めんこ等で遊んでくれました。学校で、風邪が流行り、長く学級閉鎖になり、友達にも会えず、落ち込む私に竹馬をつくってくれて、今でも竹馬は、乗れる私です。

父は、高校生の頃、国体選手で、なおかつお勉強もでき・・。と文武両道だったそうです。私は社会が、好きな科目だったので、小さいときは、一緒にお風呂に入ると、私が都道府県の県庁所在地を全部言い終えるまで、父も、私からお風呂を出させてもらえなかったような目にも合っています。(ごめん、父)


父は、小さいときから私に、勉強ができずに怒ることはなかったけれど、運動に関しては、本当によく見てくれていました。そのため、私と姉は、運動会が大好き。市で行う運動会などで、徒競走にでると、二人で、景品をたんまり貰って帰ってきていました。私は、ひととおりスポーツは、するので(水泳だけは、渡を産んでからですが)

「私って、運動神経は、悪くないんだな。」

と長年、信じておりました。けど、異常なまでに体が堅いことは、変だなぁと認めていましたが・・。


そんな父が数年前、母につぶやいたそうです。

「お姉ちゃんは、運動のセンスがあった。ゆみは、本当に運動神経がなく、オンチで、困った。あいつは、センスがなかった。運動させても、すぐに飽きるし、練習は嫌いだし。」

と言っていたそうだ。

「えっ?お父さん、私は、運動神経はいいほうではなかったの??」

と思ったのだけど、確かに、父の言うことは、当たっています。だって、組み立て体操ができずにへこんだこともありました。練習は嫌いです。あきますし・・。運動神経がよければ、体操なんてできるはずですものね。


父は、もう孫も高校生になったところで、気も緩んだようで、ぼろっと出た本音の言葉のようです。

けど、父は、子供が何かしたいとか、思ったときに、一度も頭ごなしに否定形で話したことがありません。

渡のことに関しても話す時は、必ず、小さいことでも一つできることを見つけては、

「おぉ。こういうことができたんだから、XXもできるかもなぁ・・。どんどん伸びるぞ。えらいな、渡。」

という発言をします。



私は、この父の教育方針を、すばらしいと思うし、父を尊敬しますし、こうやって育てられると、私のような運動オンチでも運動が好きで、自分が運動ができると思って、楽しく生きていってしまいます。

こうやって、子供を育てれば、苦手なことでもそんなに嫌いにならないだろうし、私のように勘違いだけども、「運動ができて幸せ・・。」みたいに、生きていけるんだろうと思います。


とにかく、渡に関しても

「誉める」

父です。なにかを報告しても最初にくる言葉が、

「すごいじゃないか!」(関西なので、「すごいやないか!」なんですが)

こういうのは、見習わねばならない所です。特に発達に遅れを持った子供に

「できない」

と、できないと所を見つけて、嘆くのは、簡単ですが、出きるところを見つけてあげて、誉めるっていうのは、大事なことだと思います。



そんな父と久しぶりに今日、電話で話しをしました。

そうだそうだ!私も運動ができるようになったよ、と思い、父に報告しました。

「あのね。私、5キロマラソンに出たら年齢別グループで4位につけて、タイムもxxだった。」と報告したら、開口一番

「おお!すごいやないか!そのタイムは、お父さんが、65歳の時に走った5キロマラソンと同じタイムだ!」

・・・・・・・父・・・・・・・あなた、すごすぎます。