こんな事で戦力外通告をされると思わなかった私

理系の人の開発リーダーのお話です。理系の人シリーズは、いっぱい書きたい事があるのに、忙しくてあげれずにおりました。

さて開発リーダーは永住権が取れて手元にグリーンカードと呼ばれるものも送られてきて早数ヶ月。

会社が米国益を満たしているということで、取れた永住権ですので、お世話になった方々とお祝いしましょうと話しておりました。今日はそのうちの一つのパーティ。

リーダーの新居で行われるパーティだったのですが、料理もデザートも全てリーダーが一人で用意されるので、これは大変と思い、時間より少し早めにお邪魔すると話しました。

伺うと、リーダーが和食を用意しておりました。今回は、アメリカ人のお客様なのでステーキや、マッシュポテト、サラダetc...なのですが、１品だけ和食を用意している模様。煮物なので、これは手伝える。ごぼうや人参、こんにゃく、里芋などなどを切る予定のようです。

リーダーさぁ。じゃ、私が人参とか切って、ごぼうとか皮むいて、里芋もむくよ。

って言うと、あっ、ありがとうございます。

ということでテキパキ？と、用意をはじめた私。

リーダーさぁ。人参とか、好きな大きさあるの？

と聞いてみました。まあ、汁物にするみたいだから斜めでいいんだろうなー。と思ったのですが。するとリーダーからの返事が、

あっ、人参は、皮をむいたら30度づつ回して、包丁も30度の角度で入れてください。それで全部が同じ大きさになるように切ってください。

さんじゅうどです。だぁ？

どんなんだ、それ？そんな指示を料理でされた事がないので、

えっ？リーダー、３０度ってわかんないよ。

今度はリーダーが驚く番。

ゆみさん、30度って180度の6分の1です。

だからさぁ、そんなの知ってるよ。３０度づつ人参まわしながら、３０度づつで包丁をいれて、同じ大きさに、っていわれてもさぁ。３０度ってどれくらいの角度だったか？が正確にわからないわけです。まー適当に切ればいいかと思い、切り始めていると

ゆみさん、その人参、38~40度くらいになっています。さらに同じ大きさじゃないですし。

えっ？いいじゃん、結構綺麗に切れてるよ。別に体温を計ってるわけじゃないんだから、そんなに２度３度ってどうでもいいことじゃん！と思った私は

リーダーさぁ。人参は三角柱になってるので、先っぽが細くなってるし、均等には切れないしさ。さらに30度なんて言われても、もう分度器の30度がどれくらいかなんて中学以来つかってないので、忘れた。いいじゃん、これでも食べれるよ。

ここまでリーダー的に解りやすく言うと通じると思った私は、ニタっ。

驚いたのは、リーダーのほう。

30度がわかりませんか...。（あきれるリーダー）これくらいです。

と見事な手つきで、均等に人参が切られて行く。本当に同じ大きさに切れてる！びっくり。こりゃ駄目だ。野菜を切る手伝いはできない。他になにが手伝えるか？と思ったのだけど。なんだか入る隙間がない。まー、ものの見事にすごい手順で料理が作られて行く。あり得ない。けど、せっかく早く来たので、なにもしないのもと思い..。

リーダー、他になんか手伝うよ。言ってよ。

と言って、ふと嫌な予感はした。リーダーは、ちょっと小首をかしげてから、

あっ、じゃ、ソファーにでも座っててください。

えっ？？ベンチ入り？それって戦力外通告じゃん。３０度で均等ができなかった私はレイオフ（首切り）に合い、ベンチ入りを余儀なくされた。こんなところで、まさか戦力外通告されるのかぁ....。ショックな私。主婦業も長くやってきたのに...。しょうがない。どうも出る幕じゃないので見ていたら、どんどんとご飯の用意がされていく。テーブルセッティングはこんな感じ。