自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

講演会をしてきた。~幸せってなんだろ?~

日本から学生さんがやってきているので、開発リーダーと講演会をしてきた。夕方からの講演会でした。持ち時間が1時間と今までやった講演会や大学の授業等の中で一番短い時間でした。

けど、大学の授業でシリーズでやった内容を話したほうがよさげな感じ。随分駆け足になってしまい、申し訳なかったです。

ごめんねー。学生さんたち。

うちの開発リーダーは博士号を2つ所持する超キレもの。本来は、リーダーと呼ばず、○○博士と呼ばねばならない人なんですが。(英語で言うと「ドクター○○」という感じですね。)そういう人なので、理系の学生さん達は垂涎もの話だったかもしれませんが、起業のお話をという係の方のお話でしたので、主に私が話す事になり。ギークな話があまりできず、申し訳なかったです。

次回来た時はギーク四方山話に花を咲かせましょう。

最近の学生さん達をみてて思うのは、質問が良く出る事です。

一昔前だと質問は?と聞くと、「しーーん」という感じだったのですが、最近は質問の時間を長くとらないといけないということを今回さらに学習しました。この質問が増える傾向は年々上がって来ています。

学生の方たちが

「自分の必要な情報をしっかりと得よう。自分の頭で考えて行動しよう。右にならえ!という感じでみんなと同じことをしていてはいけない。」と思い始めているのがわかります。

質問も多岐に渡りました。私への質問もでましたが、やはり理系の学生は質問が開発リーダーへ集中。

たとえば、リーダーは大企業をいくらでも狙えた訳で、どうして行かないのか?どうして、世界一のレベルと言われる大学の学科を出て、専門分野を極めなかったのか?などなど。

よーするに、リーダーは

「コンピューターエンジニアのお仕事が好きだった。」ということと、

「技術を本当に必要な人の元にとどけたい」という熱意。

が回答でした。今の仕事は本当に楽しく、この道に行けた事は自分の幸せである、という話をしておりました。

最後の質問で笑った事は、

「どうして仕事を一緒にするのが久保由美なのか?」でした。

起業するとなると二人三脚を組むということで、他にもリーダーの出身学校にいっぱいいただろうということでした。リーダーは最初は、Voice4uをつかって

「わかりません」

とか答えておちゃらけてました。おちゃめなリーダーです。

けど、リーダーが最後にみんなにお話したことは

「仕事のパートナーが久保由美だったのは、彼女の人、そのもの自身が理由です。」

これは一番嬉しい言葉です。お互いの信用がないと、一緒に会社はできない訳で。さらに、私は別にずばぬけた技術力がある訳じゃなく、博士でもない訳で。

自身の中身以外もなにもないので、そこの中身をしっかりと信じていただいた人と一緒に仕事していけるというのは、働く人間にとっては、最高の事ではないでしょうか?本当にありがたい限りです。


あと、学生さんから私が個人的に聞かれた事。

自閉症のお母さんって言うので、苦労した方だろうなーと思っていたのですが。いえ、たぶん、ご苦労はなさってると思うのですが、どうしてそんなに幸せなんでしょうか?落ち込まないんですか?」ということです。私の回答

そうですねー。

落ち込まない事はないんですが・・。ただ、自分がなにかできない理由を渡のセイにしないということは、自閉症の診断が降りた時点で決めました。たとえば、夜飲みに行けない。とか、遊べないとか。働けないとか。本当にそうなのか?本当に、渡だけが理由なのか?というのをいつも自問自答しています。どういうことかというと、遊びにいきたいと思ったら、渡を預けて遊びにいけるように努力したのか?先輩ママたちで飲みに行ったり働いている人たちが歩んでいる全ての道を踏襲したのか?新しい試みはしたのか?ということを考えます。たとえば、近辺の大学に「自閉症に詳しい学生さんでベビーシッターをしてくれる人を募集!」って張り紙したのか?心理学の教授に会って、「ベビーシッターしてくれる学生紹介して!」ってお願いしたのか?

支援団体に息抜きしたいので、お願いしますと言ってみたのか?どれも面倒でしない自分が居れば、それは渡のせいではなくて、めんどくさい自分、それよりも自分が渡を見たいという意思や愛着などのほうが強かった。ということ。それはやっぱ、自閉症が原因ではないし、関係ないなー。やっぱ私は渡が好きなんじゃん!というふうに思っていました。

幸せでいるコツは?

は、

幸せってスーパーで卵のように、1パック168円。みたいに、売ってないんですよね。「幸せが、袋にパンパンに入って500円。」とかってあればいいんですが。ということは幸せっていう定義は各自違うんですよね。で、幸せを感じないときって見過ごしてるんですよね。

というような話をしておりました。幸せって確かにそうだと思う。たとえば、私はいままで自分が健康体だったので、昨年の手術の時は自分の幸せを思いっきり考え直す事になりました。健康がありがたい、幸せだということを長い間、気がつかなかった訳です。

幸せって、たぶん日々のどこかにあるんです。がんばって忙しく生きていると見過ごすことがありますが、ふとした瞬間に「あっ!幸せだ。私の幸せはこれなんだ。」ってわかります。それは本当に卵1パック128円くらいの小さいことかもしれません。大きな幸せもあるでしょう。ただ、だれかに幸せにしてもらおう。と他力本願だと幸せっていうのは、かすんで見えにくいかもしれませんね。

学生さん、スケジュールはまだまだ続くと思いますが、体に気をつけてがんばってください!

   ##みなさん、チョコありがとう!

     開発リーダーが何よりも甘いものが好きだって、

     良く知ってましたねぇ・・会社で踊ってました。