自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

だいすき!!

日本のアマゾンに漫画12冊をオーダーしていました。オーダーした漫画は、こちら。

だいすき!! ゆずの子育て日記(1) (BE LOVE KC)

だいすき!! ゆずの子育て日記(1) (BE LOVE KC)

このシリーズです。昔ドラマにもなったこの漫画。

これは、軽度知的障害のある柚子が子供を産み育てるストーリです。私はあまり漫画を買いませんが、(学生時代、貧乏だったので、買えなかった)前回帰国した時は「理系の人々」を買いました(この話は後日)


なぜ「だいすき!!」を本代より高い送料をかけて注文したのか?というと、著者の愛本みずほさん(みーちゃん)が、私の幼なじみで彼女が描いた本です。小・中・高校と一緒だった「みーちゃん」は、卒業後は会う事はなかったのですが、先日、産経新聞の関西版に私が写真入りで載ったことから、ずぐに私とわかり、Twitterで連絡してきてくれました。


高校では、みーちゃんは文系、私は進路を間違って理系に進んだので、高校後半からは、クラスが一緒になることはなかった。

この本を注文したのは、ただ同級生だったからじゃなくて、

「みーちゃんの根性ある性格を知っていた。」

からです。軽度知的障害の漫画で女性誌に描いたというのだけ聞くと、私も

「ふーん。そういうのがあるのか・・。」

だけで終わっていたと思います。けど学生時代に、彼女の芯の強さは知っていました。

彼女のことだから決して半端な事は描かないだろうし、取材も自分で行うだろうし、それも掘り下げるだろうし、彼女だったら、そりゃ、おもしろいのが描けてるだろうと思ったので、速攻で買いました。


今朝、会社に本が到着しました。今日は忙しかったので、休み時間くらいしか時間がなかったのですが実は、私は学生時代は趣味にお金をつぎ込みお金が無かったので、漫画の立ち読みがめっぽう得意だった。お店の人に注意されない時間というのは約10分。その間に一冊漫画を速読できるように自分の目を鍛えてしまい、シリーズで読んでしまうこともありました。(ごめんなさい、本屋の皆様)

しばらくして、本屋さんもビニール袋に本を入れるという技を使い始めたので、立ち読み場所は古本屋に移りました。


 ということで、休み時間に4巻まで読破。夜は、残業休憩をしながら、6巻まで読んでしまいました。一気に読んでしまい。みーちゃんは、何ヶ月も掛かって描いてるのに申し訳ないな。と思ったけど、再読するので、許してください(笑)


友達だから、甘い視線で見ないようと思って真剣に読みました。感想を聞かせてほしいと言われていたので、正直に思ったことを言おうと。友達しか、真っ正面から本人に言えないものね。と思って読みました。

正直に感想を書くと、これは必読だと思う。

よくぞこれだけ難しい問題に真摯に向かい合って楽しい漫画を描けたと思う。

感想は

1.主人公が知的障害の大人であるので、題材的に難しと思ったけど、それがよく描けてると思った。子供の場合、子供の成長にともない周りの環境が完全に変わるし、なおかつ、成長のことも描けるので、まだ大人より描きやすいと思う。けど、この漫画は、環境がかわりにくい大人が主人公です。

掘り下げてしっかり取材していかないととても何巻もかけないと思う。やっぱすごいな。思った以上だった。芯の強さとガッツと彼女の感性は、小中高の時代よりはるかに磨きが掛かってると思った。

2. 4巻。兄弟児の話をとりあげてくれています。実は私は、渡の障害がわかった時に、一番の心配だったのは、香穂のこと。しばらくして、コンピューターを手にいれた私は、障害児の兄弟について、マックで調べまくりました。最近は日本でも兄弟児について取り上げられるようになったと聞きますが、渡が小さい13年前とかには、日本語ではあまりみかけませでした。その問題をしっかりとりあげて、兄弟児の「しょうがない」をよくここまで描けたなぁ。と思った。ちなみにうちの香穂のくちぐせは「大丈夫」でした。常に遠慮して「大丈夫」絶対に大丈夫じゃない時もそうだった。これは香穂の「しょうがない」の意味だったと思います。そのあたりの描写はもう涙で漫画が読めなくなりました。非常にうまい!!


3.著者の愛本みずほさん。彼女は子供を育てた経験がありません。障害児の子育ては、想像を絶するものがあります。たとえば、うちの場合は

自閉症の子供さんは寝るのが苦手な子供がいます。」

と本でありました。

「へー。苦手なんだ・・」は想像ができます。けど、現実は、うちの渡の場合は、真夜中に脱走し、ホースの水であそびまくり、ズボンがべちゃべちゃになるとその場でぬぎすて、パンツのままで家の道を走り出し、戻ってくる気配はありません。こんな詳しいことは各自で違う訳で、もちろん自閉症関連の本には書いていませんし、この時の母親の気持ちっていうのは、なかなか表現するのもむずかしい複雑なものがありました。このように知的障害のある子供を育てるというのは母親のほうも自分の気持ちを表現するのがとても難しい物です。なのに、漫画で読むと、そのときの周りの気持ちや本人の気持ちが伝わってくるように描いてあります。すごい!実際育てた私でもブログの表現は、すごく困ることもあるのに、ちゃんとえがけてあるこの漫画はすごかった。ここは感動です。

うちの開発(独身男性)も漫画を読んで

「僕、子供いないですが、これはよく描けていますねぇ・・。仕事がら自閉症のお子さんには会いますが、育てるってなると大変だなぁ、親ってすごいなあ。という表現しかできません。けど、この本、すごいですね。作者の人、子供がいないって本当ですか?って聞きたくなります。」

と言ってました。

他にもいろいろ感想がありますが、漫画は全12巻。読んでいって、続きをまたあげますねー。

ベイエリアにお住まいの方、私が持ってますので、読んだ分は貸し出しできますので、ご連絡ください。