自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症のパニック

渡は、言葉が話せるようになったこと(字での会話もできるようになったこと)と、家でのお仕事が増えたことで、相当パニックが減りました。それでもまだ、たまにパニックがおこります。渡が一番苦手とするのは、私が泣くことです。昔は、私が泣くと、確実にパニックを起こしていました。

私は、わりと涙腺が弱いほうなので、テレビ等を見てもすぐに泣きます。


夕飯時に香穂の補習校の宿題の差別について。という作文の話をしていたときに幼児虐待の話になり、そーいえば埼玉でこんな事件があってね。と話していました。母親が彼氏と遊ぶために、子供の面倒をまったくみず2歳児が死ぬというものです。けど、この6歳のお兄ちゃん、

「僕が悪い」と全ての罪をかぶり、母をかばいます。私はこういうニュースが苦手です。香穂に話している間に涙が出て来てしまいました。すると渡が、ものすごくびっくりしたのですが、昔のようにパニックは起こさない。そのかわり、笑います。とにかく笑って、私も笑うのを待っている。笑ってるわりには、目は完全に慌てて泣きそうな目をしています。その気持ちを押さえて、口もとは、笑っています。もう必死です。香穂が

「ゆみちゃん、泣くとだめだよ。渡が、心配しているよ。泣きやもう。」

と諭されました。



ここで思ったのが、自閉症の子供で、

「なんで笑うんだよ。こいつが泣いてるのに!」

みたいな、場にそぐわない笑顔をする子供がいますが、その子は、誰かが泣いたり、怒ったりして、今の状態(争いごと等の状態)があまり好きでないので、

「みんなで笑おうよ。」みたいな意味を込めて笑っているのではないかと。けど、世間では、

「人が怒ったり泣いてるときに、笑うなんて、なんだよコイツ!」

ってなるのかも。

こういう社会の暗黙の了解が一生懸命生きている自閉症児には、難しくなりますね。