自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

渡の学校に、バスで行ってきました。渡はスクールバスに55分揺られて、クラスメイトの家を一軒、一軒まわって、学校につきます。カリフォルニア州法では、スクールバスに1時間以上子どもを乗せてはいけない、というのがあります。

渡は、クラスで一番遠いところに住んでいる生徒なので、一番に御迎えがきます。私が車で学校にいくと、20分ほどで到着しますが、バスも大事な社会勉強の場所であるのでスクールバスで通ってもらっています。それに朝、私がおくってゆくと姉の香穂は、バスサービスがないので、学校にいけなくなってしまう・・。彼女は、10kg以上もするトロンボーンをもって通うので。

これが、公共の交通網である、バスで行くとどうなるか?我が家から、約1時間近半かかります。(今回は、全て早めにでてなおかつバスは、降りるときに車内放送がないので、本に集中して、乗り越してしまったので、2時間かかりました)

自宅から、バス停までが、20分。バスは、10分前後の時間の違いがあるので、早めに到着。

そこから、10分バスに揺られて、次にのるバスに乗り換えです。そこで、また、待ち時間が、20分あり、20分揺られて、

学校近くのバス停でおります。そこから、学校まで15分歩きます。なぜ、こんな公共のバスにのったか?というと、

今年の夏の渡の目標に、

「公共のバスに慣れる」

というのがあるからです。これは、家の中だけの目標なんだけど。来年は、IEPに「バスがのれるように」と書きますが。

シリコンバレーで、一番発達が遅れているのは、公共の交通網なので、初めてくる方に

”大丈夫です。バスでのりつぎますから。”といわれるのですが、バスでいけるところなんて、本当に限られています。

高校や、図書館、おおきなショッピングモールくらい・・。それで我が家からバス停までは、近いバス停で、20分、

ショッピングモールなどにいくバス停までは、30分かかります。(で、その30分かかるバス停は、ショピングモールにあるんだけど)

日本のようには、いきません。学校に着いたら、すぐに測量です。なにの測量か?というと、道路から、教室までの測量。

なぜか?というと、先日のOT(作業療法士)のレポートに

「渡は、すぐ外を走るたくさんの車の音にも、まったく気にすることなく、授業に集中できたので、音は、問題ない」

という記述があったからです。この記述だと、真横に車が通る教室でも、渡はなんら配慮が要らない子どもになってしまうので、耳が一番敏感な渡に、こんな記録を残されては、困ります。中学にいって、

教室の真横が、道路なんていうところや、周りの子どもがさわぐ教室にいれられて、あとから、

「渡は耳が敏感なので、パニックをおこしました。」

と訴えても、正式な書類に

「大丈夫」

とかかれてしまうと、この敏感だから。。が事実でも、理解してくれないもしくは、受け入れてもらえない場合があるからです。

なので測量してみると、道路から、教室までは、直線距離で、55mもあり、さらに道路は、OTがレポートに書いた15分間に8台くらいの車しか通らず、なおかつ、その道路は、90度に折れて曲がる道なので、ほとんどの車は、思いっきり減速して走るので、歩道にいても、車の音などは、ほとんど気にならない。そして、道路から、教室までの間は、なんと建物があって、音なんて、なんにも聞こえない。いいかげんなレポートを出されたわけです。車の台数は、他に2日間しらべて、ほぼ同じ台数だったので、まちがいないでしょう。

シンシア先生は、必死になって計量してる私をみつけて、

けらけらと笑いながら、

"Yumi! Too Much!"

と言ってました。シンシアもあのレポートには、真剣に怒っていたので、私のこの行動は、Welcomeですが、この先生のすごいところは、シリアスになりすぎないように、常に大きな声の笑いと思いやりの笑顔を絶やさないこと。なので、クラスの子どもも、みんなよく笑うし、笑顔が綺麗で透き通っています。このクラスに転校してきた子どもで、ひどくくらい子どもたちもいたけど、みんなどの子ども、今は笑顔が綺麗。数ヶ月このクラスに通うと、シンシア効果が出てきます。

そんなこんなで、測量と、OTの人が、ご指定の時間帯の車の台数をはかった私。渡をつれて、帰路へ。外は、36度でバスの待ち時間は辛かったけど、香穂と私と一緒に乗るバスでご機嫌な渡。香穂も課題図書を全部読めたので、疲れたけどよかったと大喜び。

私は、写真の本を全て読み終えました。この本、(写真)おもしろかった。別に会社を作らない人でも、読んで欲しいと思う。職場というところに属する人、もしくは、子どもが就職などで、はたらきはじめるお母さんなどにも、お勧めの一冊です。職場ってこれだけ柔軟性がないといけないと思う。

だって、そこで働くのは、社員で、取締役になると、方々にでかけて、あまり社内にいない気がするので環境に、配慮してくれる会社は、すごいと思う。著者の近藤さん、シリコンバレーへの進出をめざしているようで。いらしたら、ぜひお会いしたいですね。