自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

我が家の香穂は、高校1年生です。アメリカの高校は義務教育なので公立の場合は、試験はありません。住む場所で行く学校が決まります。うちの香穂の学校は、そんなに有名な学校ではありません。

その香穂が、「今日の夕方、高校に私を落としてほしい」といいます。なにかな?と思ったら、バンドというのは、どうも体育会系のチームが試合をするたびに、彼女たちの音楽のクラス(バンド)が、試合の会場にいって、応援するらしい。ということは。。部活をしてる人たちは、練習と自分の試合だけ参加すればいいのに、バントは、練習とすべての体育会系の試合に出場するので、一番ハードな部と言えるかも・・です。

私は香穂を学校におくってゆき、その足でボランティアのミィーティングに出ました。

その後、渡をあずかってくれる人がいたので、試合を見に行きました。というのも香穂が、でかける前にipod shuffleをもってゆこうとするので、「ちょいまち!アンタ、バンドの演奏で試合を応援するのでしょう?なぜあんたが、音楽演奏しないで、音楽を聞くためのシャッフルが要るわけ?」とストップをかけました。香穂がため息つきながら、

「ゆみちゃん・・・だってね。今日は、強豪フットボール(アメフト)チームと試合するんだよ。私たちは、点数が入ったときや、きわどいときの場面の時だけ演奏するから、今日は演奏する時間はないから、シャッフルがいるのよ。」もっとものご意見。そうか。。たしかに今日は、全米でも有数の進学高校と試合です。

ここは文武両道の学校です。なので、アメフトも強い!たしかに、音楽演奏するのでなくて、聞く時間のほうが長そう・・。

アメリカの場合、SATテスト(統一テスト)の結果がいいと学校が国から予算を余分にもらえるので、高校の格差がはげしくなる気がします。

高校につくと、まず目にはいったのは、

歩いて通える近くの高校なのに、チャーターバスで試合をしにきています。こういうの見ちゃうと、うちの香穂の学校は、予算もなく、弱小でよくやってると思う。で、最後のほうでみにいったので、もうボロ負けかな?と思ったら、なんと、同点の試合。えっ。。うちの学校が同点???

私は、こういうスポーツの応援が大好き。もう、盛り上がる盛り上がる。チャンスがくると、近くにいる、おとーちゃんたちと大騒ぎ。残り3分のところで、香穂の学校がゴ~~~ル!!見学席は、盛り上がりまくり、地震か?と思うくらい大揺れ。香穂たちも今夜は、出番が多く曲を演奏しまくっています。シャッフルは役に立たずです。

結局、写真のように、12対6で勝ちました。試合が終わってから、なんか、妙にうれしくて、また見たいなとおもったけど、我が家は誰もアメフトをしていない、渡は自閉症に多いパターンでグループスポーツは苦手です。一瞬「渡が自閉症じゃなくて、アメフトやってたら、毎試合アメフトの応援にきてたのになぁ」と思いました。けど、考えてみると渡が自閉症じゃなかったら、あえなかった人たちはたくさんいます。渡を介してあえた方々は、障害のある子供を持った人もいれば、独身の人もいるし、健常児の親御さんもいます。本当にいろいろな人たちに助けていただいて、その中でつよい絆を結びながら、ここまできました。やっぱどう考えても、渡が参加するアメフトの応援はできなくても、たくさんの人に出会えて、たくさんの人たちに優しくしてもらっている私は幸せ者で、渡も香穂も幸せ者だと思う。そう思うと、いままでお世話になった(なってる)人たちの顔がつぎから、つぎへと浮かんできました。

アメフトの応援は、当分、香穂の学校を応援することにしました。ゴールきめたら、巨体をゆらし、地震のような振動を巻き起こすうちの生徒の父ーちゃんたちと、興奮ながら応援しましょう。