自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

乗馬

乗馬にいってきました。行く前から、渡は、馬に乗ると喜んでいましたが、現地で、車をとめて、ゲートを開けると馬を見てしまったので、走り出す始末。戻って来てもらって、車に載せて、馬のいる場所まで車で行きました。下りるなり、馬にちかより、触る渡(写真)たくさんの馬がいるので、ご機嫌です。

先生がいらして、自己紹介をしてくれたのですが、渡もきちんと自己紹介ができました。渡は、他の人に質問されると、答えるまでに変に間があいたりするなど、30%の確立でしか答えません。

ところが、馬に乗れる、とわかっているので、100%の確立で間違いなく返答します。こんなにきちんと答える渡はみたことない・・。(あっ、シンシアにきかれた時は、きちんと答えています)

クラスが始まりました。まず最初にブラッシングをします。これも、嬉しそうにしていたのですが、ここで問題が・・渡は、小さい時に重度アレルギーで何度か病院に運ばれてあぶなくなっています。最近は、出ていなかったし、出ても昔のような出方をすることはなく、私は、動物の毛のアレルギーを忘れていました。と、いうより、もう動物のアレスギーは、出ないと信じていたのです。

先生が

「アレルギーがあるの?」と聞くので、

「すべての動物にあると思う」と話していました。

さて、念願の乗馬です。まずは普通に乗って、これは大丈夫と思った先生。ゴルフボールを持たせて、馬を動かし、コーン(三角すいの道路などにおいてある注意サイン)にボールをいれたり、後ろ向きに乗って、両手を上げて、バランスをとったり・・。2Mちかい高さの棒に輪投げのわっかをいれる練習をしたり・・。すべて完璧にこなしていました。乗っている間、先生は、立て続けにいろいろ質問をします。馬の名前は?私の名前は?どこからきたのか?渡は何歳か?馬のどこをもてばいいのか?などなど・・・渡は、100%完璧に答えて、間もあきません。

これ・・・。うちの学校に前にきていた、スピーチセラピストより、ぜんぜんいいじゃん!という感じです。けど、渡は目がかゆくてしかたがない。ずっと目をかいていたのですが、終了5分前に先生から、

「お母さん!これは、ダメだわ、アレルギーがひどくなりすぎ。」と言われて、クラスは、終了。

私は柵の外にいるので、よく見えなかったのですが、近くにきて渡の顔と首をみたら、もうお岩さんのように腫れています。これは、大変!こうなると、器官も腫れる渡は、呼吸が止まりそうになります。気道確保が難しくなるわけです。

今日は薬も、もっていなかったので、近くのドラッグストアに走らないといけません。けど、田舎にあるんだ・・。このクラス。あせってはいけないので、香穂と、のんびりと話すようにしようと思い、

「ねぇ・・。香穂。渡にグルーミングの職があるって話してたけど、それは困難な道だね」と言うと、香穂いわく

「別にブルーミングじゃなくても、保健所の動物のお世話係りもあるじゃん。あれは毛をそんなにかぶらない。けど、ゆみちゃん、マジメに薬屋さん探そうよ。今、それどころじゃないよ。」

という彼女。私もまじめに探してるってば・・。

香穂も渡が危なくなって、緊急入院して大変になったのを何度もみているので、もう顔がひきつっています。15分走ったら、やっとみつかり、アレルギー用の目薬、アレルギー飲み薬、皮膚がはれているので、それを止めるクリームを購入してレジに並びましたが、だんだん呼吸が細くなっている。

「あ~ヤバっっ・・・。いまから緊急病院か!」

と思ったけれど、一刻を争うので、レシに並びながら、薬を上げ始めました。目薬が一番に効き、少しラクになりました。そうすると、渡も少し落ちついてきました。あとは、塗り薬がすぐにきき、飲み薬が少しづつきいて、腫れが、引いてゆきました。

3時間ほどすると、いつもの渡にもどりつつあり、(まだ発疹は少しありますが、腫れは引いた)

6時間たったいまは、ほぼもとどおりです。(少しブツブツはある)

呼吸のほうは、薬を飲んで、20分ほどで落ち着きました。

おちついた渡をみて、香穂がぽそっと

「死ぬかと思ったよ。」と言うので、私も

「私も死ぬかと思った。」と言うと、

「私たち親子って、結構冷たいよね・・。普通、そういうふうに思わないでしょう。」と言ってました。まっ、どちらも怖い思いをしたことがあるので、仕方ないということにして・・。

次回のレッスンは、前もって薬を飲ませること、馬の毛のブラッシングはしないこと

などなどを先生と決定しましたので、2週間後のレッスンに期待です。