自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の息子に教えておいて良かったと思ったこと

我が家の渡は、お姉ちゃん(私の娘ですね)と良く一緒にお出かけします。今日、娘がつくづく私に言ったこと。

「私が、お母さんが、これを渡に教えてくれて良かったな。と思うことは、羞恥心

だそうです。というのも、

「もし渡が大人になってから、行動に関することで教えておかないといけないことが漏れていたとして。例えば、<お礼を言いないさい。挨拶をしなさい>というのは彼の行動を促すわけだから、渡が大人になってからでも、5年でも6年でも時間をかければなんとなく、覚えそうな気がする。けど、自分の気持ちを気づかせることっていうのは、難しいと思う。普通の人だって、自分の気持ちを押し殺したりする人も多々いるわけで」と突然語り始めました。

何が言いたいのか?というのは、小さい時から、渡はよく公共の場所でパニックを起こしたりして大声をあげたり、寝そべって動かなくなったりしておりました。その時に、私がいつも説得もしていたのですが、少し収まりそうな気配が見えた時に、

「渡、周りを見てごらん、みんなどんな顔で渡のことを見ている?」と聞くと、最初の3年くらいは全く聞く耳持たず(聞いていたけど、聞こえないふりしていたのかも)無視でしたが、4年くらい経ったくらいから、叫ぶなど「悪いこと」をした時に、だんだん周りを見るようになってきました。さらに周りの人の表情を読み取るようになってきました。

私は、渡が自閉症だと診断された時から、渡に何かを教えたい時は、自閉症のこだわり以上にこだわる決めていたので、とにかくこういう教えたいことのゴールは年単位で設定します。なぜなら自閉症は3歩進んで2歩戻るようなところがあるからです。

この「周りを見てごらん」が小学校3年生あたりから、急にすごい効果を見せ始めて、周りのみんなは渡のことをどう思っているのかな?どう見てるのかな?と言うだけで、すぐに行動を元に戻すことが、でき始めました。高学年になった途端、もうパニックを起こす前に、自ら周りを見て、「あぁ。これをやると恥ずかしい」という羞恥心が出てきたわけですね。

なので、渡自身は、5年生から、問題行動を起こす前に、周りを見るというふうに行動パターンが変わってきました。

小さい時はひとしきり叫んだり問題行動を起こしてから、周りを見ていましたが。

なので10年くらいでやっと周りを見ることが先になってきました。

この羞恥心をゲットできれば、あとはやりやすいと娘は言っております。

怒らなくても「恥かしくない?」と聞くだけで止めるし、周りを見てごらん、と言うだけで、一気に今の自分の悪い行動をどうにか元に戻せないか?と模索し始めます。

なので、小さい時からそれは恥ずかしいんじゃないの?みたいなことをよく話すようにして、当人に、本当にわかってもらえれば、あとは簡単かもしれません。

娘から先ほど言われたので、思い出した「渡に教えて良かったこと」でございます。