自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症の息子とばーちゃんに教わった事

娘は来週から大学院開始。アメリカは今日から3連休です。

娘は3連休の頭は何をしたか?というと同じ芸術部門に進む学生と勉強したり、情報交換したりしていました。いやー、よくぞまぁ、大学も始まってないのに、ここまで勉強するなー。っていう感じ。見ててあきれるほど。私だったら、大学始まる前の3連休だと全力で遊んでいたと思う。

渡のほうは、数学のクラスが始じまり、ものすごく行動に落ち着きが見えて来た。叫んだりとか、うなったりとか、揺れる事が少なくなりました。渡の数学を担当する開発リーダーは、

自閉症に対して、いろいろなセラピーがありますが、「勉強セラピー」ってあっていいと思いますよ。最近言われているように自閉症は、過剰な脳の発達というのがありますし。自閉症だから勉強できないじゃなくて、自閉症の子どもの学び方に合った勉強方法を大人が知らないと言う事が正しいのではないでしょうか?

確かにそうかも。渡は大学に行き始めると、自閉症独特の行動の問題が減ります。けど、勉強が解らない時は過剰に悔しがります。これは、周りが自閉症の力を出しきれてないのでしょう。私も反省。


渡や学校が始まってないのに、教科書を読んだりして勉強してる娘と学生さんを見て、私はばーちゃんの言葉を思い出した。

私のおばーちゃんは、明治生まれの根っからの百姓だった。百姓はとにかく人手が足りないので、小学校も2年通えたかどうか?だった。当時の田舎の百姓の間では、女性には、教育はつける必要はなく、働き手として一生懸命働くべきだという考えがあったそう。ばーちゃんは、独学で勉強して字が読める様になっていて、新聞は毎日隅から隅まで読んでいた。同じ年齢の百姓の女性達は、教育をうけてないので字が読めない。なので年金の書類などをかわりに読んであげていた。私のばーちゃんというと、字を読むか畑を耕すかの姿が頭に焼き付いている。

今日、来ていた学生さんは、

アメリカは教育費が高いので、親にもうしわけないと思うんですよね。僕は、なるべく親に負担をかけたくないんですよ。

といいながら、娘とスカラーシップ(返済不要な奨学金)なども探していた。

そんな彼等を見ていて、小さい時に遊んでばかりいた私にばーちゃんが言ってくれた言葉を話してみた。

私のばーちゃんは、勉強をしない私に、

「ゆみちゃん、勉強しぃでよぉ。お金はいくら稼いでも人に渡したり取られたりしたらおしまい。さらにお金で買った物は一人の人にあげたらそれで終わり。けど、頭に入れたた教育はいくら人にあげても減らない。人にあげていると自分も学ぶので、むしろ増える。教育は人間にはなによりも大事。勉強しぃでよぉ。 」と阿波弁で言われた。

という話をした。すごく学生さんは納得したらしい。

私もこの年齢になって、自分の2人の子どもが成人になり、勉強している2人を見て、ばーちゃんの言ってる意味が解った。

ばーちゃん、あなたのひ孫は、ばーちゃんの言った事をしっかり守ってるでよ。

と思う私でした。