自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡の数学の期末試験(ファイナル)とアメリカの舞台芸術で不利な香穂

渡の数学のテスト完了。まずはテストの受け方から学ばねばならず、彼は見直しをしないので、見直しの仕方を開発リーダーから伝授。渡はすっかり100点取るつもりです。リーダも

「じゃ、渡君。100点とればいいよ。」

と、にっこり笑って簡単に言うので、後でこっそり、

「ねーねー。リーダーは、ずっと100点とってたの?お勉強好きだもんねー。」

と言ったら

ゆみさん、100点っていうのは、簡単に取れるもんじゃないですよ。僕なんてテストを5回見直しても、どこかに必ず小さなミスがあって、100点っていうのはなかなか取れないです。けどね。本人が100点取りたいって言ってるんだから、取れる様にがんばればいいです。誰も渡君が無理だなんて言えないですよ。どんなことでも本人が、やるぞ!!と思う事から始まりますから。あとは解らない部分をサポートして本人のやる気をのばすだけです。

だそうだ。

すごいな。

今回はクラスでいちばんに終わる事もありませんでした。ちゃんとチェックしたそうです。まー、100点はないにしても現在上位5%以内に位置してるらしいので、このままいくと、Aは取れるかもしれない。Bは固いという感じです。

大学で最初に数学を取るときに

「渡は、高校までシビアな自閉症のクラスにいたのだから、大学に体をならすだけでも1年はかかります。成績を落とさないということはないと思うので、それよりも、とりあえず慣れてもらいましょう。そこから成績のことを考えるのが大事です。」

というような感じでしたが、なんとか突破できそう。

水泳のクラスはもう慣れるというより、主のようになってるし(笑)

けど、これらも先生がたの理解と周りの方の協力があってこそ。どちらの先生も渡のような重度の自閉症は初めてだったそうです。数日後の成績発表が楽しみなのだけど、渡はすでにクリスマスパーティとお姉ちゃんの帰宅に焦点は絞り込まれています。

一番心配だった数学のテストも終わったので、すごくひさしぶりに娘と話しをしました。娘は車を持っていないので、今回は、金曜日にお迎えに行くつもりでしたが、どうもテストは木曜日に終わるらしく、木曜日のお迎えだと信じていた娘。私の聞き間違いだー。

「けど、金曜日でいいかも。私、壁ぬるからさ。」

っていうので、なんの事か解らず。よく聞くと、どうも舞台設定のペイントの事です。

最近音沙汰ないなーと思っていたら、やっぱり絵の世界にはまってた。ドローイングのクラスのファイナルも明日提出で、次は舞台設定。

現在塗る壁は、5mの高さ(横の長さは1.5m~2mくらいかもしれない)を15枚塗るらしい。なんだか絵も考えたらしいが....。1枚2時間から3時間であげるそうだが、日本人女性の平均よりちょい低い背の高さが舞台芸術には、すごく不利だそうだ。壁は床に置いて塗るらしいが、壁自体が重く、みんなより20cm~25cmの身長が足りないだけで、重心がずれるので、持ち上げる時とかは、仲間に入れてもらえないらしい。これだけじゃなくて、舞台芸術は、全てアメリカ人サイズなので、いろんな不便があるそうだ。

自分だけ台が要ったり、みんなが自分でできるところを背が低すぎるので、あぶないからと人様に助けを乞わないといけない事もあるらしい。真夜中2時や3時に壁を塗り終えて動かしたくなる時なんか誰もいないので

「くっそー!!」

と思うくらい悔しいらしいけど、次の日に人を呼んでお願いするらしい。

みんないい仲間ばっかだからすぐに手伝ってくれるけど、やっぱ頼む側としては、申し訳ないと思うので、常日頃から彼女や彼氏と一緒に居るところや、本人の絵を描いて上げたりしてお礼するらしい。するとすごく喜ばれるらしい。すごい家は実家までその絵が行ってしまい、クリスマスや感謝祭の食卓で回されたりするらしい。

へーすっごいなぁ。

「もう3年以上こんなことしてるから相当慣れた。不便でもいろいろ慣れるよ。」

という事らしい。

それぞれの大学生活だねー!!さーて。明日も渡は最後のコンピュータのテスト。娘は明日からテスト開始です!がんばろーね。