自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

学習障害で高校退学を命じられた生徒がハーバード大学へ。大事な親の6つのステップ

PBSニュースに学習障害(Learning Disabilities ) とディスレクシア を持つダニエル・パリス君は、成績が悪く高校退学を余儀なくされたが、正当な診断と正当な権利を得て、高校に返り咲き、無事ハーバードに通っているという事がPBSで報じられました。

実は、私は学習障がいなどの子どもが大学で成功するというニュースはわりと耳にします。高校までは、彼らは未成年なので、親が正式なサービスを手続きに乗っ取って欲さない限り、発達障がいのある子どもの学校での成功は非常に難しいのでは?とよく思います。

ところが、アメリカでなんとか日本でいう短大にまで入れた場合は、学習障害やADD、ADHDディスレクシアの生徒自身が親も協力して智恵をつけ、自分で権利をとり、大学で成功するという話は、たまに耳にします。これは、本人が18歳になるので、もう親は、子供の大学生活に本人の許可なく介入できないので親はサポート側にまわり、当事者である生徒本人が自分で大学に自分の困っていることをしっかりと訴えて行くからです。要するにいままでは親だけが言っていたのが新たに本人という重要人物が出てくる訳ですね。

ところが、小さいときから、自己価値が低いと18歳のころには訴えて行く力も気力もなく、ましてや短大まで達する事ができない事もあります。そうなるとなかなか難しい気がします。私も自閉症児を育てているので親が訴えて行く事の大変さはよくわかります。さてこの記事にある6個の大事な親のステップです。記事の大意です。

1.子どもに対して低い価値観を決して持ってはいけない。

2.彼らの正しい評価を得るべし。

3.自分の子供の障害を熟知し、彼らによくあった環境ツールをあたえる

4.障がいのある子供と共に連携して、彼らがまちがっているのではないことをよく理解するべし。

5.決して諦めない。

6.忍耐強く、立ち直り、理解するべし!

1.子どもに対して低い価値観を決して持ってはいけない。

これは、多くの発達しょう害のある子どもは、世話をする人たちや学校のスタッフなどから、低い自己価値観を得てしまいます。研究では、周りが彼らは低い能力でその能力程度と信じると伸びないが、自分の能力であると信じられていることよりも、上を目指すとモチベーションもあがり成功する人が増えることが実証されている。

2.彼らの正しい評価を得るべし。

正しい評価とは学校の先生やスタッフが単純に述べるような言葉による評価ではありません。それらは、子どもが怠惰になるだけでなく、モチベーションがなくなってしまいます。他の親や近くの専門家などから正しい知識を得ることです。アメリカの学区は、多くのお金を子どもたちの評価に費やしていますが、正しい評価が出る事が少ないのです。これらを信じないことです。もし学校が子どもにとって厳しい場所であるならば、周りの親や、専門家などを地元紙等で探し、連絡を取ってみる事です。子どもを地獄から引き上げる道を見つけなさい!ディスレクシアや読む事が難しい子どもにスクリーン・リーダー(コンピュータの画面読み上げソフトウェア)を与えない事は、耳が聞こえない人に通訳を与えないのと同じ事です。これらの具体的な学習のニーズに対応できる事が成績が2.0以下になるかハーバードに通うかの違いになってしまうのです。

3.自分の子供の障害を熟知し、彼らによくあった環境ツールをあたえる

あなたの子どもが学習障害があるという理由だけで特殊学級に行く事が必要だということを意味するものではありません。ADHD学習障害の子どもが、必要なリソースを与えられてる場合は、他の生徒と同じように目標を達成する事に向う事ができます。しかし一般の教職員は、学習障害を持つ子どもに対処するように教育されていません。親が最大の子どもの擁護者です。彼らに必要なものを取得し、ごまかされないようにすることです。これらの事を得るために、教職員などと頭がぶつかることを恐れない事です。これらの行動はあなたの子どもの未来であり、学校は子どもに最も制約の少ない環境で学生に教育を提供することが法律で義務づけられているからです。

4.障がいのある子供と共に連携して、彼らがまちがっているのではないことをよく理解するべし。人は各自それぞれ違った学び方をします。ある人は静かな場所がよかったり、ある人は間食を必要としたり、ある人は音楽を聞いたり。さらに眼鏡をかけたり、薬を取っている人もいます。みんな違っていいのです。私たちは人々のアイデンティティーを理解し、長いプロセスを踏みながら苦労しながら成長し続けるのです。

5.決して諦めない。

彼らはもっとも大事な時に、もがき苦しんでいる時があります。あなたが親として出来る事は揺るぎない愛とサポートを提供することです。人生で彼らが自分の人生を生き、苦しい時は、疑い、誤解し、さらに諦める事に直面します。それらは、教師や、友だち、近所の人や、管理者、カンセラーや、家族から、与えられます。彼らは、曲がった道やでこぼこ道をつくりだします。そして苦労して成功を得ます。もっとも辛い事は、親が諦めてしまう事です。

がんばった残りは、楽観的にみることも大事で、将来的には、親子関係をよくし、彼らの精神にもいい影響を及ぼします。

6.忍耐強く、立ち直り、理解するべし!

彼らの障害は、あなたにフラストレーションを持たせ、忍耐力をテストすることになることにもあるでしょう。IEPで先生達とコラボレーションを組み、宿題をこなして行く事もあるでしょう。どうか、あなたとあなたの子どもを攻めないでください。彼らと一緒に学習するのに必要なものを得る方法や戦略を見つけ、彼らを愛し他の子どもも愛してください。常に助けを差し伸べることに気がねしない事です。

以上がざっとした大意です。

たしかに・・。アメリカで障がい児教育を受けるとなるとなんだか、自分がブルドーザーになった気がします。特に自閉症はハードなのかもしれませんが・・。道なき道をブルドーザーで開拓しながら行くというか。

「前例がない」というような事を言われるという壁にブチ当たったりします。親である私は、

「そりゃそうでしょう。前例はないでしょう。私は同じ息子を2人産んでいませんから。」

と言わねばなりません。自閉症は十人十色。IEPは個別指導計画と言われるように、その個人に適切な指導の計画を立てねばならないからです。皆と一緒、過去に他の人が歩んだ道とまったく同じにしましょうというのは、IEPじゃないからですねぇー。上手くいかない時もあります。けど、諦めない。諦めないというのは同じ手法を頑固に何度も繰り返すのではなく、手を替え品を替えて必要なサービスを息子に与えるというものです。上手くいかない時は、それは自分が悪いのではないと楽観視しないと、すぐに次のサポートに移れません。ハードな育児にはなりますが、それだけに得るものもすごく多いです。

けど、よく考えると結構、現在大学に元気に通う娘もいろいろありました。彼女も学校のスタッフが理解してくれず、一人で意見を言いにいったら、まったく相手にされず。次の日。私が彼女の後ろに立っているだけでスタッフの態度が豹変し、彼女の意見を聞いてくれた。

別の件でも平等が謳われるアメリカでも、男性にスーツを着させて、私もビジネス用の服を来て娘の後ろに立っているだけで、先生の態度がすごくきちんとして話を聞いたり。

いろいろありました。

けど、まだまだアメリカでの子育ては続きそうです・・。