自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

カフェでのおじいちゃん

うちの会社にもいる理系の人の話です。日本で買った漫画、

理系の人々

理系の人々

に出てきそうなうちの開発リーダーのお話です。

午前中、ちょっと打ち合わせがあったので、リーダーと待ち合わせのカフェに出かけました。午前中のカフェは結構空いていて、入り口を入ったところにポツンとおじーちゃんが座っておりました。

このおじいちゃん、コンピューターを開けて背中を丸めてなにかを必死で書いています。

コンピューターで調べながら、あまりに必死で書いているので、思わずちらっと見てしまうと、なんと日本語練習帳を開いてそこに練習すべき漢字を書き込み、その練習だけでは足りずに、さらに自分のノートも開いて力を込めて何度も練習しているのです。

すごい!この年齢になって背中を丸めながら、必死で日本語を学ぶ姿は、驚きと共に感動まで覚えました。学んでらっしゃる言葉が日本語ですから、私は思わずうきうきと嬉しくなっておりました。


見られても緊張されるだろうし・・。と思い見て見ぬふりをして、そのまま奥のオーダーカウンターへと進みました。注文をして、珈琲がでてくるのを待ってると、リーダーがちょっとうれしそうに、ぽそっと

「あのおじーちゃん、すごいですね。」

あぁ・・・。やっぱり、リーダーも気がついていたんだ。そりゃ、あの日本語を勉強する勢いをみると誰でも感動するんだ。と思って、

「すごいよーね!!!あの歳で日本語の勉強だもんねー。感動だよね。思わずがんばってください。って言いたくなるよね。」

というと、リーダーは、きょとん。としています。

「えっ?日本語、勉強してるんですか?あのおじーちゃん・・。」

今度は、こちらは、きょとんとする番です。

だって、それ以外は普通のおじーちゃんです。着てるものも普通ですし、髪型も普通です。別に驚くところはどこもない人です。思わず私が、

「えっ?日本語勉強の事じゃないの?」


「ちがいますよ。あのおじーちゃんが使ってるコンピューター。最新のMacBook Airですよ。すごいですねー。あれ、バッテリーも長く持つので、こういうコンセントがないカフェでも持つんでしょうねぇ・・・・。あんなにお歳でも、最新のマックですものね。すごいですよ。」

まっく・ぶっく・えあーだぁぁ???


そんなのマックのお店に行けば見れるじゃん・・。

と思ったけど、ここは”ぐっ”と飲み込んだ私。私があまりにきょとんとしてるので、すぐにリーダーが気がつきました。

「あっ、しまった。また、ブログに上がってしまう・・。」

ごめんよぉ。リーダー。また、あげてしまったよ・・。


一人の老人を見てもここまで見るところが違う理系のリーダーと文系の私です。