渡は、自閉症で言葉の意味の深いところを掴むということができません。
普通、健常児の子供が通う学校というところは、直接的に物事を話すことばかり学ぶのでなくて、英語の独特の言い回しや、ことわざのような言い方で、先生が説明することもあります。こうなると渡はお手上げです。直訳の意味はわかっても本来の意味がわからない。
香穂とわりとよく使うけど、渡がわからない言葉の話をしていたら私自身も勉強になったので、ここにあげておきます。日本語でもあまりないような言い回しですね。
A piece of cake
<直訳>
一切れのケーキ
<本意>
簡単!簡単!!
<感想>
これは、日本で英語の授業でもやった気がします。けど私は訳がわからず、渡米してすぐに大学のバレーボールのクラスに出て、先生が、A piece of cakeというのを聞いて、
「明日ケーキが要るんだ。パーティなんだ」
と思い込み、日本人の友達に
「明日バレーの授業で、ケーキが要る」と話したら友達に
「なんて言われたの?」と聞かれて、この話をしたら
「それは、簡単っていう意味だから、ケーキは持参する必要ない。」
と言われてしまった・・。
Look for a needle in a haystack
<直訳>
藁の中から1本の針を探す。
<本意>
難しすぎて望みがない。
<感想>
うちの香穂は小学校3年生の時にこの言葉を先生に教えてもらって、「じゃ、先生、藁の中に磁石を入れれば、針は簡単に見つかりますよ。」と言ってしまったそうだ。先生はすごくやさしい人だったので「香穂、この言葉が出来た時代に、そんなおおきな磁石はなかったのよ」とまじめに答えてくださったそうだ。
kick the bucket
<直訳>
バケツを蹴る
<本意>
死ぬ
<感想>
どうしてバケツを蹴ることが死ぬことか?というのがよくわからなかったのですが、噂によると昔、人が首つり自殺をするときは、バケツの上に立って首を吊ったので、そのときにバケツをければ、死んでしまう訳で・・。なので、バケツを蹴るという事を言う人もいました。
Let the cat out of the bag
<直訳>
袋の中から猫を出す
<本意>
秘密をばらす
<感想>
これは、秘密をばらしたりするときに使うそうで、
「言っちゃえよぉ」といかいう雰囲気の時にもつかわれるそうです。
curiosity killed the cat
<直訳>
好奇心が猫を殺した
<本意>
他人の詮索ばかりしていたら、痛い目に会うということ
<感想>
これは、アメリカでは、猫は、9つの命を持っているというくらいしぶとい生き物だけど、そんな生き物でさえ、命を落としてしまうということで、人の詮索やうわさ話ばかりしていると、痛い目にあうという教訓です。
こういう言い回しは、もちろんアメリカでもたくさんあり、自閉症の渡がこれを理解するためには、一つひとつ説明して、教えねばなりません。
言葉って、なかなか難しいわー。