ホーソン効果(ホーソン実験)について読んだので、ちょっと感想。
ホーソン効果とは、1924年から1932年までシカゴ郊外にあったウェスタン・エレクトリックのホーソン工場で行われた実験のことを指します。
どのようなことか?というと、これは工場の照明と作業能率の関係を調べることから始まった実験です。要するに明るいところで作業するのと、暗いところで作業するのとでは、どちらが作業の能率が高いか?ということを調べた訳です。最初は単純な結果がでる(暗いと作業能率が落ちる。)と思われていたのが、暗くしてもまったく作業能率が変わりませんでした。
次に Relay assembly experiments(リレー組み立て実験)をやります。これは、6名の女性を選んでグループで実験をおこなうのだけれど、これも賃金や、休憩時間、温度等々の条件をかえますが、そのグループでは、どのような条件にしても作業効率は下がりませんでした。それは、選ばれた女性達の間で、お互いの家を訪問したり、映画を見に行ったりするような友情関係、信頼関係が生まれてきていたからです。そうすると、各自が一生懸命働くようになり、自分が働くことによって、グループの仲間を思いやるようになり、相手を少しでも休ませてあげようとか、いろいろなこと思いやるのです。それで、作業効率が上がってゆくというものです。
他にも2つほど実験をしますが、この全ての実験の結果で得たものは、仕事の能率は、照明や労働環境よりも人間関係によって左右されるというものです。
これを読んでておもったのですが、これは、自閉症児の周りの関係だって同じです。アメリカには、山のようなセラピーや、薬、治療等々あります。全部試していたら、億万長者でも追いつきません。私もいろいろためしましたが、明らかに言えることは、渡と接する人が渡ときちんとした人間関係を結べる人についたときが、著しい効果があります。渡が相手のことを心配したりするのは決まって、信頼関係が結べてる人についてです。そういう人には、よりいっそうの心配や思いやりの態度を見せます。
自閉症は社会性の障害ですが、実は療育者(大人側)の社会性や子供との信頼関係、相性等々が、一番影響するなとおもっていたので、このホーソン効果は自閉症にもあてはまりますね。