自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

スキー Part3

渡が、うまく滑れません。きのうのクラスの効果が、ほとんどない。やっぱ、クラスのみんなに足並みをそろえるのに必死で、自分が学ぶところまでいっていなかったようです。ただスキークラスの子供とそばにいて、まねをしただけだったようです。これは、自閉の渡の最近の特徴ですね。みんなにあわすのはできても、自分が学んで習得するまでには、手が回らない。友達のご主人が見かねて、

「僕が教えましょう」

ということになりました。ご主人には、自閉の渡のポイントを話し、お願いしました。

ご主人と少し傾斜のあるコースにいった渡。どれくらいか見てみましょうとなったけど、大暴走が始まった。スピードや、スキーを滑るということに恐怖心のない渡は、止まらない・・。すぐにご主人が追いかけてくれました。

これは、危険ということで、ご主人は渡の前に後ろ向きに滑ってくれて、渡のスキーの先をもって、かがんだ状態で、したまで行ってくれました。これで、完全に感覚をつかんだ渡。2回目にリフトにのって、すべるときは、ご主人が、もうスキーの先を持たなくてもすべれるようになりました!すごい!2日目の朝にして、もうすでに、初級者コースをぼうげんで、すきなところでカーブし、すきな速度で、滑れるようになっている!すごい!このご主人。教えるイのがうまいんです。教えてる間中、ずっとほめまくるので、渡もご機嫌。

香穂もきのう午後、教えていただいて、ぼうげんは、マスターしていました。

で、2時間くらい、教えていただいたところで、

「じゃ。上にいきましょう」といいはじめました

「えっ~!!!!!。それは。。無理じゃないなか?」と思ったけど、まさか、私がどうのこうのという問題じゃないし、ダメだったらリフトで降りればいいし・・。

けど、違うリフトにのるのは不安があるだろと思った私たちは、あらかじめ、作戦を練ってはいました。あらかじめコンドミニアムから持参した、渡のトーマスのおもちゃを、お友達の子供さんが、雪の中に埋めてくれてあります。リフトの折場付近に埋めてくれてあります。渡るには、前もって、トーマスが上で、渡の助けを待っている。と話しました。

渡の上にいく理由は、トーマスのレスキュー。今より難しいところをすべるのが目的ではありません。遅れて上にいくとそのご主人の子供さんが、

「ワタ、このヘンにトーマスが、埋もれてたと思う。

渡の助けを待っていたよ。」

といわれて必死で掘りかえすと、機関車がでてきた。けど、雪が硬くなっていたのずいぶん上でまってくれていたのでしょう。寒い中、待ってくれた、この渡の友達に感謝です。

渡は雪の中からトーマスとヘンリーの機関車を見つけて、大喜び。お友達も、それをみて、うれしそうにしてくれています。

うれしかった私は、

ご主人には、渡るのお友達(このご主人の子供さん)と私は、上級者ゲレンデを滑り降りてから、再度上がってきて、あとを追っかけますと伝えました。

私は、少し遅れて上までいき、初心者ゲレンデをすべると、渡と、ご主人がいない。あわてて、おっかけていたのですが見当たらない・・・。どうしたのだろう・・と思って、一気にすべりおりてしたで待っていたら、汗だくのご主人と渡が、中級者ゲレンデから降りてきた・・。びっくり!!

結局、渡はご主人に中級者コースにつれていってもらいました。話をきくと、斜面が急すぎる!

とおもった、渡もいつもは、話さないくせに、ご主人に

‘Help!Help ○○さん“

と叫んで、結局、ご主人が、中級者コースの急な部分を後ろ向きに、スキーの先をハの字になるように支えて、何度も転がる渡を抱えてすべってくださいました。申し訳ない・・。

けど途中からは助けなして滑れるようになっていたそうです。

これで完全に ぼうげんを習得した渡。先ほど滑っていた初級者の斜面を腰に手を当てて、鼻歌交じりで、滑っています。

すごい!自閉症児の渡が1日半で、スキーを体得しちゃったよ。ちょっと涙ぐんでしまった私でした。私、スポーツができるというのは、とてもうれしいのよ。