自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

香穂の期末テスト

今週土曜日は香穂が、日本人学校で、期末試験です。彼女は、家であまり勉強はしません。というのも帰ってきて勉強しようと思っても、自宅でどんな事件がおこるかわからないからです。突然、渡が喘息発作で、病院運びや、元気だと、大音量で機関車トーマスのテーマ曲をかけられたり、本棚の本や、引き出しの服は全部出されてしまったりで、とても静かに勉強できる環境ではないからです。なので、彼女は、現地の学校は昼休みなどに、友達と集まって、大量の宿題をこなし、それから、かえってくるので、自宅で勉強している姿は、あまりみたことがありません。しかし、日本人学校は、土曜日1日だけしかありませんので、宿題を学校でしてくるのも不可能ですし、テスト勉強をする場所も時間もないわけです。特に人生のうちで数日しか行ったことのない、日本のことを学ぶというのは、相当大変なようです。香穂は、決定的に苦手なのは、社会なのです。だって、よくみたことのない国のこと学ぶのですから。今、中学2年ですが、小学校4年生の時に、カマボコ工場のことを何ヶ月もかけて学びました。毎週帰ってきて、おもしろかった、というので、

「そうか!苦手な社会がおもしろくて、それはよかった」

といっていましたが、最後の週で、

「あぁあ・・今日でカマボコ工場の勉強が、おわっちゃったよ。おもしろくないなぁ・・。ところでさぁ。。カマボコってなに?」で、がっくりきた私。昔、たべさせたことはあるものの、嫌いといわれてから、購入していませんでした。ごめんよ。香穂。忘れてた。

あわてて、日系スーパーに走って、カマボコを購入し、これがかまぼこだと理解していただきました。こんな調子ですから、彼女は社会は、どうしても私の助けは必要になってきます。日本人学校はいつやめてもいいというルールが我が家にあるのですが、やめない香穂。これもすごいと思います。

日本地図も覚えても使う場所がないし、日本のようにテレビの天気予報で、毎日図形を見るわけではないので、テストが終わればすぐに忘れます。なので、今日、渡には、プールにいってもらい、香穂と朝から、社会の読み合わせです。今度は世界地図が入るので、これもかわいそうです。サウジアラビアといっても発音が、アメリカで習った国名とは、まったく違います。

えっ?なに?South Arabickっていうこと?と聞く彼女。私は、サウスアラビックなんていうのは、知らない。地図で確認し、SAUDI ARABIAだとわかり爆笑する彼女。

「習う国がちがうと、国名もかわるんだねぇ・・。」だって。

もう前にすすまないです。珍しく家にいたパパが

「渡とボクは、何時ころプールから帰ってくればいい?」ときくので、この調子だと、いつまでも社会は終わらないので、

「今日は、帰ってこなくてもいいです!」と答えてしまいました・・。バイリンガルは大変です。