自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

数学の王様、お姫様に会う前の数学試験を受ける

さて、クリスマス当日はディズニーランドですごします。ディズニーランドは朝と夕方以降が勝負。

朝からまずはディズンーランドで数日だけ売られる手作りの「キャンディーケーン」の整理券を貰いに行きます。

午後1時以降に取りに行って買えるものは、この手作りのキャンディ。

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これは手作りのため数日しか販売しておらず、ネットで調べて販売日を把握。予約券をもらって、それで購入します。詳しくはこちらの動画で。これ見ると食べたくなります。

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さて、予約券を頂いたら、次はWarld of calorの券をとったりファーストパスを取ったりと活動しまくる私。

ところが渡の最大の目的はお姫様に会う事。

このために大変だった大学数学を無遅刻無欠席で通い、宿題も100%提出し、テストもがんばり、突破しました。

会えないなんてありえない。さらに渡は

「数学ができれば、御姫様に好かれる。」と信じてる訳ですから、必死です。

朝から、服を決め、なんとこの「数学の王様」のバッチをしてディズニーランドに行くと言い張ります。

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お姉ちゃんは、「ちょっとそれは..。それ私が作ったし。だったらもうちょっと綺麗につくればよかったしさー。」と反対気味だったのですが、私の

誰もみてないさ。今日はクリスマス当日で混んでるし、胸になんかついてても、誰も見る余裕もないじゃん。さらに、渡がちょっと変わってる事もまー、見れば解るし。誰も違和感ないと思うよ。ここは夢の国ですから、誰かに迷惑かけるわけじゃないから、いいんじゃないの?

という言葉に後押しされて、付けて行く事が許可されました。

まー、クリスマス当日のランドは、すごい人です。けど、このバッチをつけていると、さすが夢の国で、キャストの方が

わぁ!数学の王様ね。

と話しかけて来てくださいます。結構目立つのね。これ。と思う私。

さすが夢の国です。渡が自信をもつように突然

じゃ、7X11= は?

とか簡単な問題を出してくれたりします。やはり揺れまくり、奇怪な行動をする渡は、見た目になにか発達に問題があるな。と解るので、簡単な問題をだし、それを渡が瞬殺で答えると、

すごーい!さすが数学の王様!

となるわけです。みんな優しい。さすがだ。

ところが歩くうちに、問題がなぜか難しくなってきた。

12X11=は?

とか。母は突然、不意をつかれて言われたので

へっ?と言う感じですが、渡は、即答。

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はやっ。

そのままの勢いで、お姫様と写真を撮影する列に並びました。小さい子供が多いのですが、みんなきちんと待っています。並んでいる子供達が暇しないように、キャストの方が3名みんなに話しかけて来てくださいます。列の後半、中頃、前半と言う感じで列を3つくらいのところでキャストが立ってる。列に新しい人が並んでネタになりそうなゲストがいれば、前のキャストに手や目線などで合図して

「絡んでみぃ。」

というサインを送ります。

そんなところに、

「数学の王様」のサインを胸につけた渡がやってきた訳です。

ハイエナの檻に生肉。

すぐにキャストの人たちの絶好の話し相手になってしまった。いつもは誰も話してくれないのに。

まず最初のキャストの人が、

何が得意なの?計算?

と聞かれたら、

Yes!

と答える渡。簡単な問題をだされて、どんどん暗算で解きます。

すると最初に話したキャストの方が渡を後ろから指さして、親指を立てて、もっと難しい問題を出せとなりました。問題はどんどん難しくなり、そうなると周りの親御さんも一緒に考えるのですが、暗算というのはなかなか早くできないもので。渡がどんどん答えると周りの親も拍手してくれたりします。みんな優しい。最後のキャストの方は、ちょっと難しい問題をだして、渡が解けなければ、

王様。もっと勉強してさらに偉いお姫様の国の国王になってくれ。

と言うはずだったらしい。その問題は、

{(156-84)÷12×3}+21=?

出された瞬間、渡は身体を前後に揺らして、「うーー。」と2秒ほど声をだした。この「うーー」と言うのは、渡が周りの音がうるさすぎる時で、自分が何かに集中したい時、周りの音をかき消す為に出す音です。

2秒ですぐに

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キャストの人が

えっ?えっ?それって合ってるの?えっ???

と母の私に聞いてくるのですが、「私は数学の王様じゃないので、解らない。」と逃げてみた。

焦るキャスト。

公文をやっていた娘は、あわてて暗算して

えっとーー。あぁ、合ってるかな...。

怖すぎるだろう、それ。けど、渡は、これが答えられたら、お姫様達に好かれると思っているので、必死です。周りも大拍手。

ちょっと感動。これも開発リーダーがくじけず渡に数学を教えてくれたお陰です。なので、後日開発リーダーに興奮して知らせてみた。私は最近、理系の人の答えを想像して会話を続けるという努力をしているので、予測では、

ほほっ。すごいですね。よかったですね。

という言葉が帰ってくると思っていたのですが、開発リーダー驚いた顔をして、

えっ??どうして、θとか√とかlogの入った計算式をだしてくれなかったのでしょうか?

私。

.........。いやー。あの....。ディズニーランドですから。お姫様と記念撮影するのを待つ子供の列に、大学数学のθや、log や√の問題を暗算で解け。と出した方が、怖いだろう。その時点で、もう夢の国じゃないんだろう..。地獄だろう。

と言うと、リーダーは即答。

えっ?そうですか?それを解くほうが魔法みたいで夢の国じゃないですか。それくらいだったら、渡君、まだ忘れてないから、できましたよ。

いやー。そんなの...。誰も思いつかないしさぁ。夢じゃないし。ありえんし。

相変わらず、飛ばしまくりリーダーです。

さてさて、問題を一杯解いて、拍手されて、努力をして会えたお姫様の話はまた、明日。