自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡の苦手な子供の泣き声

ディズニーランドに来ています。来ている理由は、World of Colorというショーを見るためです。香穂は、このショーを2年前から楽しみにしておりました。舞台芸術専攻の彼女にとっては、学ぶことも多いので、このショーが始まって数日後に見れるように設定しての旅行です。

夜のショーなので、昼間は乗り物に乗っているのですが・・・。

カリフォルニアアドベンチャーで、香穂と渡は2人で、California Soarinという乗り物にのりました。

これは、スキー場にある8人くらいが横一列に並んで乗れるゴンドラのようなものに乗り、少し高く上げられて、映画のような画像で、カリフォルニアの各地を見てまわるというアトラクションです。



渡はこれが大好き。画像が画面いっぱいに出ることもあるし、知っている場所も出てくるので、うれしそうです。

2人で喜びいさんで乗りこんだのですが・・。渡の隣は渡が苦手とする3才くらいの子供さんだったそうです。渡は小さい子供が苦手で、特に赤ちゃんの泣き声が苦手です


乗ってベルトをしたとたん、隣の子供が両側の肘掛けを抱きしめながら、

「ママ、僕怖い。これ乗れない~!」

と大泣きが始まったそうだ。

あぁぁぁぁ・・・小さい子供の大泣きを聞くと渡がすーっとどこかへ逃げますが、逃げれない場合は、パニックになる可能性大です。

香穂は

「あっちゃー。パニックになっちゃうよ。3歳のあなたが恐怖と思う乗り物より、渡のパニックの方がある意味怖いよ」

と思ったそうで、さてどうやって渡をなだめるか?と思案したそうです。

そしたらなんと渡がやってくれました・・



突然泣いて、肘掛けにしがみついている彼の手の上にそっと自分の手を乗せて3歳児の子供をみて

"Fun. Laugh.”(楽しいから、笑って!)

と説得に入ったそうだ。


子供は突然手をおかれて、励まされたものだから、ぽかーーん状態で、ピタッと泣き止んだそうだ。

香穂は、突然の事にびっくりしたが、まずは、お母さんに謝罪です。突然、知らない人に、手を重ねられて話されたら、誰だって怖い。

必死で謝ると

「いえいえ、こちらのほうこそ。泣き止んでくれたのでよかったわ。ありがとう」

といわれたそうだ。

すると乗り物が動きだし、ゴンドラが高くあがって、壮大な映像が映し出されると3歳のお子さんは、もう声を立てて笑って、大喜びの乗車になったそうです。


人間って成長するんだなー。渡が子供をあやすようになるとは思っていなかった私。感動のディズニーランド初日でした。