自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

今週のお題「ゴールデンウィークの過ごし方」

  1. 大学に娘を迎えにいきます。
  2. 日本からお友達がきます。
  3. 手術の準備をします。(ゴールデンウィーク明けに手術します)

この3つが過ごし方。今年のゴールデンウィークは大きなことが3つあります。

1.娘がなんと夏休みに入ります。

4月29日から8月半ばまでが、彼女の夏休み。

彼女の大学は、夏休みが長い。ほとんどの学生が卒業までに海外で、勉強するので(それもスカラーシップをもらって!)夏休みが長い。そのかわり日頃は、すごく厳しく勉強をしているようです。

今年は彼女は海外に行かないので、まるまるお休み。3ヶ月半も家でバイトもしないでぶらぶらするのかな?と思うとすごくもったいない気がして、とりあえず、戻って来たら夏休みの過ごし方を考えようと言っていたのですが、なんと私が手術に。彼女が私の代わりに家の事をし、自閉症の弟の面倒を見ることになります。娘は仮死で生まれて、その後はそのことを忘れるくらい健康優良児で育ちました。けど、性格は、喧嘩は嫌い。争いごとは避けましょうというのもあり、そのことをはがゆく思って育てた時期もありましたが、昨年度大学に入り、コツコツと生きる彼女の生き方に我が娘ながら、すごいな。と思う事も多くなってきました。

大学に入っても私の中で、「彼女を面倒見てる(育ててる)」という思いがありましたが、ゴールデン明けにうける手術の後は、私が彼女に完全にお世話になることになりました。我が子に自分の世話をしてもらうというのは、老後もないだろう。けど、老人ホームに入る時の手続きくらいは世話になるのかな?

なんて、とっても先の老後の話と思っていましたが、実はこんなに早くやってきました。

自分で生んだ命が、自分の命が生き延びるようにがんばってくれるというのは、本当に不思議で命の流転を感じますし、彼女に対しては、感謝の気持ちで一杯です。

2.日本から5年ぶりに会うお友達がやってきます。

ゴールデンウィークに友達がやってきます。ゴールデンウィーク中に手術だと一緒に遊べないな。と心配しておりましたが、薬が効いたためゴールデンウィーク明けに手術になったので、友達と遊べることになりました。渡も香穂もこのお友達が大好きなので、もう2人ともわくわくしながら、友達がくる日を待っています。友達には、ロスの空港に降り立ってもらい、500km以上車で一緒に帰ってきます。

つもる話しもあるますし、渡にいたっては、もう学校の勉強もまったく集中しておりません。

楽しみだねぇ。

3.ゴールデンウィーク明けに、子宮筋腫の摘出手術の準備をします。

上記にも書きましたが、私の子宮筋腫が大きくなりました。合計6個あるそうです。1つは、新生児の頭くらいあるので、子宮ごととることにしました。手術に関しては、いろいろと皆さんが心配してくださってありがたい限りです。多くの方から、お手伝いするねというお声をかけていただき、皆さんの優しさにうれしいやら、感動するやら・・。お声をかけていただく度に「自分の恵まれた環境」に感謝です。日本のお友達からは小包がとどきました。私がリクエストした考えずに読めて、心がほんわかする本。とおもったら、御宿かわせみシリーズを思いついたので、お願いしたら、他にも寝間着やお茶等を頂きました。

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鎌倉シャツの寝間着は、私は3年近くつかっておりますが、何度洗っても全く変わらず愛用できます。同じ寝間着をずーっと着ていると気分もふせってしまうので、お友達の配慮にもう嬉しくて、うれしくて。本も送っていただいたのは、術後に読むもののはずですが、実は、「人生の答」の出し方という本は、読み始めてしまった。止まらない。後日感想をあげます。

ところで手術ですが、よーするに腫瘍と子宮を含む臓器を2つ取る私。最初は「えっ?」と思いましたし、恐怖感もありました。親族がいないアメリカで、そんな手術をして大丈夫か?とおもいましたが、今回は、インターネットのすごさを思い知ることに。筋腫はアメリカでは女性4人に1人(日本もほぼ同じと思われます)ですので、私と同じような手術をしている人はたくさんいて、みなさん手術の様子をブログにあげてくださってます。「恐怖」を取り除くためには、「知識」が助けになることは渡の自閉症の診断の時にも体験済みですので、まじめにブログや、文献を読んで勉強しました。勉強後の現在の私。実は恐怖感ゼロです。手術をうける数時間前になったら、また恐怖感もでるのかもしれませんが、今は、早く手術日が来ないかなーと思っています。その術後に元気な自分を簡単に思い浮かべることができるからです。

幸い執刀医もシリコンバレーで名医として、医療関係の雑誌で1位に輝いた先生でテキパキしてて、私は大好きです。ウマも合うこともあります。それに何一つ「訳のわからない不安感」がない。わからないことは、全て質問したために、不安がないので、恐怖感がでてきません。

あとは、自分の子宮というのは、なかなか「くせ者」で、とても辛い思いをずーっとして来たことがあると思います。このつらい思いとお別れできる日がやってくるというのも、私の幸せな気分の一つでしょう。普通の人と比べて臓器がふたつ足りない。という人生については、そりゃ、喪失感もでてくるかもしれませんが、それ以上にその先の「幸せになるぞ」という気持ちのほうが大きいかもしれません。

幸せは、周りの人と全て同じものを取り揃えないと手に入れられない物ではないので、いいですね。

ランディ・パウッシュが言う、手持ち札をつかって、手にいれることもできます。

全て完璧に揃える人生というのはそれはそれで管理は大変ですし、ちょっとくらい足りない方が、がんばりがいもあるんじゃないの?と思うようになってきました。

ゴールデンウィーク中の5月6日に執刀医と病院側と合同の説明会があり、娘が私の責任者(保護者?)として参加してくれることになりました。現在もいろいろとアドバイスをしてくれる娘ですが、「老いては子に従え」ということをまさかこの年で体験するとは思いませんでした。

ゴールデンウィーク開けは、私の人生の第3ステージの開幕なのでしょう。第1ステージは勿論、生命を頂いたこと。第2ステージは、渡が自閉症とわかり、その子育てを始めたこと。第3ステージは、手術をしてその後、自分の人生をいかに幸せに生きて行くかの指針を建てて、実行してゆくことでしょう。

くせ者だった子宮がとりあえず香穂と渡を体内で育てて世に送り出し、子宮自身も住みにくかったであろう私の体内から、おわかれする日がくる訳です。今は、やはり、自分の臓器にも「ありがとうねー。おつかれさま。」の労をねぎらいたい気持ちがある私です。