自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

Pepperdine大学のおそるべしお嬢様度

香穂の通うペパーダインは、丘の上にある学校です。学校から海が見渡せるのはいいのだけど、丘の下におりないとスーパーがありません。その距離は歩いて行ける距離ではありません。香穂は運転免許をもっておりません。私は、この不便な部分はどうやってカバーしてるのだろうか?と不思議でした。

その謎が今日とけた・・。  

きのうから体調を崩している香穂は、朝おきて、

「やっぱこれはヤバい。すっごい気分が悪いし」

とおもったらしく学内のクリニックに行ったそうです。ここ数日の彼女は、どうも舞台設定の時間に合せて自分の生活をしているために、どうしても舞台設定の彼女の終わる時間は一番遅くなってしまうそうです。午前様帰りで、朝は8時から授業がはいっているそうだ。

そんな感じなので深夜に御飯を食べたりしていたら、完全にリズムが崩れたみたいです。


クリニックではお薬を処方してもらったものの、学内に薬局がないので、街まで降りて行かねばなりません。さて、車がない彼女がどうやって街にいくか?です。いつもは友達や先輩が連れて行ってくれるのですが、日中は授業があるので、頼めません。とりあえず先輩に言ったら、シャトルの乗り方を教えてくれたそうだ。


このシャトル。私が何度もつかえ、つかえと行っていたのですが、

「なんだか、帰るバスの時間がないんだよねー」

と恐がり香穂は使っていませんでした。

まー使わなくても、周りが優しいので必要もなかった訳で・・。けど、私は常々、

シャトルの乗り方を知らないと、いつか困るぞ。」

と思っておりました。


そんな香穂が初めてシャトルに乗ってみるとびっくり。

行き先を言って帰りの時間は指定制になっていて、その時間にシャトルの運転手が指定場所にお迎えに来てくれるそうだ。

「予定時間の10分前には来てるので、早めにきたら乗せて帰ってあげるね。」

とのことで、香穂はもうびっくり!



彼女の高校までの生活では、お迎えの車が待っていてくれるというのは、考えられません。自閉症の渡とセットで動くドライバーの母の私は、待つことが出来ない訳で。(渡が待つのが苦手なので)

待てる香穂を待たせてから、迎えにいくのがいつもの事でした。



なので、先に車が待っていてくれることに恐縮した彼女が、運転手さんにすごくお礼を言うと

「君、初めてシャトル使うの?」

と言われたそうだ。

「じゃ、説明するね。シャトルは、一日決まった時間には3回でていて、時間指定もできる。街にでたら、好きな時間に好きな場所にお迎えにくるよ。マクドナルドが一番近いファーストフードだから、マックだけの用事だったら、ドライブスルーでハンバーガーを買って、車からおりずにもどってくるサービスもするよ。車は無料だからね。」

車から転げ落ちそうになった香穂。心の中で

「ちょっとあんた、そりゃ人が良すぎるよ」

と思ったそうだ。



薬をもらったら、シャトルのおじさんは約束通り早めに来てくれて、ニコニコと寮まで戻してくれたそうだ。

香穂は、恐縮しまくりで思いっきりお礼を言うと

「気にしないで、いつでも必要な時は気軽に言ってねー」

といわれたそうだ。


考えてみると、香穂のような学生が少ないのかもしれない。お金持ちの子供さんが多いので、たぶん、お迎えなんて両親が行うのでなくて、お手伝いさんがやってくれるのでしょう。なので、みんなにしたら普通のことかもしれませんが、我が家ではそんなことは絶対にありません。私が渡の用事でお迎えに行けない時は、お友達のお母さんが来てくれていましたし。



香穂には

「あなたの長い一生のうちで無料で送って、あんただけのために、早めにシャトルのでっかいバスで、迎えに来てくれるなんていうことは二度とないだろから、在学中はありがたいと思って、しっかりお礼を言って利用させてもらいなさい。」

と話しておりました。

すごいなー。大学によってはここまでちがうんだ・・・。けど、やっぱ甘すぎるよ。ペパーダイン・・・。