自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

自閉症児との飛行機の乗り方

今回の日本旅行の折り、行きは、渡がファーストクラスに行ってしまったと書きましたが、どうも渡は、ファーストクラスで踊っていたそうです。そりゃそうだわ・・エコノミーの通路で踊るより、ファーストクラスのほうが、広いものね。気持ちいいよ。私が起きる前に、香穂が、スチュワーデスさん(フライトアテンダントさん?)に言われたそうです。渡は、ダンスが大好き。彼が今ほしいビデオは、キティちゃんの”みんなでダンス2”だと言い張っています。それくらいダンスが好きで、学校でも有名です。

これは、いけないと思い、帰りは、障害者枠を使って、先に優先搭乗させていただきました。(障害のある人は、優先搭乗があります)人が乗ってきているところで、立ちとまって、渡に説明すると、後ろがつかえて、迷惑がかかるからです。

まだだれも乗ってこない飛行機で、渡に説明です。ビジネスクラスとエコノミーの境の線まで行って、このラインよりも前にでてはいけないということを教えました。渡は、Yes!と答えて、理解した模様。行きの飛行機は、落ち着かず、うろうろしていました。帰りは、私は眠れないのを覚悟していたので、UDONという映画を見ました。讃岐うどんの話です。私は、職人肌の人が好きですので、ここに出てくるお父さんは、好きなキャラです。この映画を見入っていた私は、不覚にも泣いてしまった・・。実は、私は涙もろい・・。

それを、みた香穂が、

「えっ?ゆみちゃん、泣いてるの?えっ~!!!

渡!渡!ママ泣いてるよ!」というと、渡は、すごく驚いた顔で私を見ました。渡は、ママがなぜ泣いているのか、わからず、英語で

「痛いの?」

と聞いてきました。香穂が、

「ママは、映画を見て感動したんだよ。感動しても、人は、涙がでるんだよ」

ということを説明してくれました。渡は自分とは関係ないということと、ママがどこかが痛い訳ではないことを理解しました。けど、泣いてしまったママには、少しびっくりしたようで、私の背中をさすったりしていました。そのせいか、サンフランシスコまで、お手洗い以外は、無駄に席を立たずに、すごしました。

私の前を通って、廊下にでるのが申し訳ないかな?と思ったのか。ママを一人にできないと思ったのか。そこは、定かでは、ありません。

実は、前々回飛行機に乗ったときに、フランダースの犬をみてしまって、号泣した私。隣に座っていたおじさまは、チラチラと私をみていましたが、ついに、席をひとつ空けて、2つ隣に席を移られていました。

香穂いわく、

「今日は、その時のおじさんの気持ちがわかるよぉ。」

と言ってました。二人とも、ごめんね。