自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

お隣さん

私が日本から、帰ったら、赤ちゃんの頭ほどあろうか?と思う、大きな大きなアジアの梨が机の上に1ダースありました。我が家は、来客が多いので、机は、結構大きいのですが、その机のほとんどをその梨が、占領しています。いったいなにごとか・・。と思ったので、パパにきくと、お隣の人が持ってきてくれた。といいます。お隣の人は韓国人で、この家に入居するときに大家さんから、

「お隣の人は、英語が話せないと思う」

と言われていました。

ご主人は、ロックスミスというカギを間違って閉めてしまったら、あけてくれる会社に勤めています。なぜわかったか?というと、ロックスミスという名前を書いた車が家の前に止まっているからです。

とある日。私は、渡に

「早く寝なさい。」

といっていました。すると、渡が、

「ウィンディ、ウィンデイ」

と我が家のネコの名前を呼びます。言いたいことは、

「ウィンディも寝ていないのに、どうして僕も寝なくちゃいけないの?」

ということのようだ。

そのうえ、うちのネコは、お出入り自由なので、渡が外にでてはいけない夜にまで、外に出ます。

その待遇の違いに怒った渡は、ネコを私の部屋のシャワールームに投げ込み、内側からロックをかけて、自分は外側に立ち、パタンと扉を閉めてしまった!で、言ったことは、

「ノー アウトサイド」(外に出ちゃだめ!)

時間は、夜の9時半。

ネコは驚いて、シャワールームで鳴きつづけ、私はあわてて外から扉をあけようとしたけど、この扉、外から、開かない・・。そうだよね。だって、シャワールームのカギが外から、あいたら、意味がない。ロックスミスに電話だ!とおもったけれど、相変わらず我が家は、パパが出張中で、女子供だけの夜です。知らない男の人がやってきても怖いなぁ・・。夜だしなぁ・・と青くなっているとお隣の存在を思い出した!お隣に走っていて、ベルを押すと、おじちゃんが、寝巻きで出てきくれた。申し訳ない・・。事情を身振り手振りで、説明したら、ちょっとまってと洋服に着替えて、すぐに私の部屋に来てくれて、あけてくれました。次の日にお礼にいったら、奥さんがでてきて、

「あんた、そんなにお礼いわなくてもいいのよ。だって、うちの主人、近所のトイレは全部あけてるわよ。みんなおんなじ」

といわれました。

それからのお付き合いです。たしかに、つきあってみるとご主人は、人が苦手。奥さんは、あかるい人だけど、英語は、私と同じで、あまり話せません。けど渡のことなどを話すと、とても心をひらいてくださって、それからのお付き合いです。大家さんは、私がお隣さんと仲良しだと知ると、

「アンタたち、どうやって、コミュニケーションとっているの?」

と不思議そうでしたが、ボディラングレージがあるから、大丈夫。

お隣さんは、私がいないのを知っていて、パパを気遣い梨をもってきてくれて、

「あんた、奥さんどうした?」

とダンナに聞きにきたようだ。

ごめん。今回、あまりに忙しくて、お隣さんに日本に行く日にちを伝えていなかった。

実家に帰ることは言ってあったのだが・・。で、お隣さんは、ダンナがなにも作れないのをしっているので、死なないように、皮をむくだけで食べれる梨をもってきてくれたみたいでした。

ありがとう。お隣さん。けど、このお隣さんのご縁も渡がネコをバスルームに閉じ込めたから、できたご縁。渡は本当に人を呼びます。