自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

校長先生を泣かせた渡

公文に言ってきました。校長先生に

「鹿児島で、渡がブレゼンを英語と日本語でしました。渡にしては、うまくできましたよ」

とお伝えしました。先生が、

「目頭が熱くなってきた」

とおっしゃって目を真っ赤にされました。私もそれをみていると、大変だった公文を思い出して、ウルウル。

香穂が、公文に通い始めてしばらくたった頃、渡は、公文の教室に乱入し、あっという間に

1000枚近い公文の紙ドリルを高く、高くほおりなげて、雪のように降ってくる公文の教材の中で、キャーキャーと、奇声を発しながら、くるくる回っていました。部屋は、机の上も床の上も公文の問題だらけ・・。そこにいた、子供や保護者の方は、目が点。

私、真っ青。教材を拾いたいのだけど、とにかく、渡をすぐに退場させないといけません。脇に抱えて、出てきました。香穂が通ってる間、公文のお教室に迷惑をかけたのは、これだけでは、ありません。徹夜で話しても1週間は話せるのではないか?というくらい、迷惑は、かけているのですが、何ひとつ、文句もおっしゃいませんでした。それ以上に、

渡が小学校3年くらいになったときに、

「渡ちゃんもそろそろ落ち着いてきたんで、公文はどう?やってみれば?」

と声をかけていただきました。

それじゃなくても生徒さんが多い、このお教室。迷惑になるのでは?と思ったのですが、先生の熱心なお誘いと、渡が公文をしたいと言いだしたので、はじめた公文です。日本語は、まったくはなせなかったのが、読めるようになったので、驚きました。先生も

「渡ちゃんのペースで行きましょう!」

とおっしゃってくださり、

校長先生の奥さんは、渡が来ただけでもすごく誉めてくださいました。ほめられることのすくない渡は、公文が大好きに。

ほんの少しですが、渡が先生にご恩返しをした感じがして、うれしい一日でした。