自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

英語ができないと、こんなところでも困ります。~再び5kmマラソンにでる私~

HERSという乳がんの人たちをサポートするノンプロフィット団体が主催の5kmマラソンに出てきました。女性の8人に1人の割合で、乳がんにかかると言われるアメリカです。日本では、25人に1人とも言われています。

このあたりでのマラソンは、このようにノンプロフィット団体が、主催して、スポンサーがつき、参加料金が、団体に寄付されます。会場につくと、朝ご飯と昼ご飯は、こちらで提供します。と書いてあったとおり、朝はPaneraという高級パン屋さんから、パンの差し入れがあります。このパンがしゃれています。形がイマイチだけど、乳がん撲滅のシンボルのピンクのリボンの形をしています。中は、ピンクになるように、クランベリーが入っていました。

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あとは、Luna Barや、コーヒー等が用意され、スポンサーのブースでは、病院から、日焼けどめや、乳がんのアソシエートからは、胸のやわらかさを模したゼリーのような涙の形の中にしこりがる模型をいただきました。

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この会、500名以上の参加(歩く人もいれば、走る人もいます)は、あったのですが、驚いたのは男性の参加が多いこと。ボランティアも、参加も男性が結構います。奥さんのガンの発見のサポート等できている人や、純粋に走る人もいますが、ボランティアは、男性が多い。高校生のボランテァイも圧倒的に多いのです。

乳がんを宣告され、ガンと戦い、元気になった人たちをサバイバーと呼びます。私は、この呼び方が結構好きです。子供の自閉を宣告されて、それでも楽しく子育てしようとする御母さんもサバイバーと呼んでもいいかもしれません。


チェックインデスクで、登録を終えるとTシャツがいただけます。

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私は、白いTシャツだったのですが、隣の人はピンクのかわいいTシャツです。模様は同じです。ピンクのほうがかわいくていいなぁ・・と思い、デスクの人に

「ピンクのTシャツは、どうやったら、もらえるの?」

と聞いてみると

「ピンクは、サバイバーの人たちのTシャツです」

ということでした。

すごい!思わず、私ももし乳がんになったら、絶対サバイブして、このピンクのTシャツを着ようと思いました。


時間がどんどんすぎ、スタートが近くなりました。舞台で、エアロビクスの先生が立ち、みんなでエアロビをしての準備運動が行われました。

その後、サバイバーたちが前にでて、その人たち、ひとり一人が名前と、何年前に乳がんの告知をされたか、を言います。

告知後、数ヶ月しかたっていない人は、泣き出す人もいましたが、30年とかいう人を見れば、乳がんは、早期発見で助かるものなんだな。と思いました。


その後、その方たちが、手に白い鳩を持ち、抜けるようなカリフォルニアの青い空に、はばたかせます。鳩は、青空を何回も旋回し、飛び立っていきました。


さて、いざマラソンです。コースは、自然が一杯の公園の大きな池の周りを走ります。

私の今年度の自分の目標に5kmマラソンを完走する。というのがあり、先日、完走しました。今回は、自分の時間を知りたかったので参加です。このランニングは、時間を計ってくれるので、参加しました。

けど、思いもかけず、乳がんの方たちのガンとの戦い振りをみて、すごく元気を頂いたマラソンになりました。



今回は、スタート地点をずーずしく前の方にし、(前回後ろからでたら、道が細そくて1km走れなかったので)出発です。周りは、かもしかのような足をした大学生女子や、”贅肉はどこにもありません”の高校生男子。身長が私の1.4倍あるんじゃないの?といいたくなるような男性や、マッチョも参加です。中には、ニューヨークマラソンに出たときの話をしている人もいて・・。そんな中に豆粒のような私はまったく場ちがい。けど、負けじと、スタート地点に立ちました。


先発隊は、スタート時の速度が早いので、つられて早く走ってしまい、すぐに息があがり始めました。これは、ダメだと、ペースを緩めて、走っていくと、4km地点で、マッチョのお兄ちゃんの背中が見えてきました。私が追い抜くと、お兄ちゃんが、

"Frog"(カエル)

と言って、走るのを止めてしまいました。

私は、

「えっ?かえる?蛙??カエル?」と思って、わけがわからず、もう一人の前にいたマッチョのお兄いちゃんの友だちをも、追い抜くとそのお兄ちゃんも

"Frog"

と言って走るのをやめました。

「えっ~!アメリカのマラソンって、カエルをみつけると走っちゃいけないんだ。

踏んでしまうからだろう。だって、ここは、池もあって、自然が多いもの。私も踏まないようにしないと。けど、みつけても私、アメリカの習慣には、従わないで完走しよう。」

と思い、下を見ながら気を付けて走っていて、ふと思いついた。


......もしかしたら、お兄ちゃんたちは、カエルって言ってないかも......


そうです。彼らは、カエルなんて言ってない。

よくよく考えたらお兄ちゃんたちの言った言葉が

"Flag"(白旗)

で、ギブアップの意味だったと気がついた。

一人で笑ってしまった私。

だって、一生懸命、カエルを探しながら、私は、走っていた訳ですから。

彼らはマッチョで身長が、180cm~190cmで筋肉もあるのに、150cm台の筋肉がなくて、脂肪のほうが多そうなチビの私に抜かれるのは、精神的に

「コリャダメだ。」

と、なっただけのようでした。

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今回も無事に完走できました。暑かったので、どうなるか?と思ったし、途中で歩きたくもなりました。けど、レースが終わって、結果が発表されると、堂々の28位に入ってました。

これは、とても嬉しいです。タイムが思ったよりよくなかったので、どうなるか?と思ったのですが、やはり、全体の28位に付けれたというのは、純粋にうれしいです。やはりこれは、超多動の渡が小さいときに、私が毎日走って追っかけていた努力が報われたのだと思います。

しばらくは、5KMマラソンをみつけて、走りたいなと思いました。

走ってスタート地点にもどってきて食べたボランティアの方たちが焼いてくれた昼ご飯のバーベキューのホットドックは、すごくおいしく感じました。

しばらくは、ホットドックファンになりそうな私です。