自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡、ドラマーに挑戦

渡がドラムとギターを習いたいと言い出しました。ドラムはかれこれ、3年前から、言ってるのですが、先生が見つからなかった。音楽関係の人にきいても、見つからず、結局ギターを売ってるところで聞いてみたら?といわれて、そうしてみました。

ドラムは、どれも、これも高いので、ギターを買うことにしました。それで

「彼は自閉なのだけど、ギターを教えてくれる人、知らない?」と店の人に聞いたら2枚の名刺をくれました。

「自閉を教えるかどうかは、僕は、知らないけど、この2人は、子供をたくさん教えているので、聞いてみるといい」

と言われました。1枚の名刺は、ギターのみの先生。もう一枚は、ギターや、ドラム、ほかの楽器も教えてました。ドラムも教えるということは、自宅にドラムもあるので、叩かせてもらえるだろう。という軽い気持ちで行ったら、この先生、大当たり。電話を今日かけたら、すぐに

自閉症ね。で、ギターは、親がさせたいの?それとも、渡がしたいの?」

と、聞かれました。私が、

「渡が。。」

というと、日曜日なのに、

「じゃ、今、来れる?」

と言われました。で、すぐに先生の御自宅へ向かいました。

自宅にあがると、突然ドラムに向かって、走り出し、叩き始めた渡。

先生が、

「右ききか、左ききか?」

とだけ、聞いて、渡に右利き用のドラムにすわりなおさせると、あいさつもなく、すぐに教え始めました。

すごい。完全に、いったん渡のペースをうけいれてから、自分のペースに引き戻してくれています。で、15分ドラムをやって、次は、ギター。

紐(バンド)をつける穴が開いていなかったので、先生がギターに開けてくださいました。先生がドリルで穴をあけながら

「渡~!君のギターがぁぁぁぁぁ~!穴がぁぁぁ~!あぁぁぁ。。こわれるぅぅぅぅ~!」

と言ってくれて、渡は爆笑。すっかり引き込まれて、そこからギターです。

前半のドラムレッスンと、後半のギターレッスンを終えて、

落ち着いた渡を見ながら、

「自閉だと、いったんやると言いだしたら、聞かないと思ったんで、すぐに来てもらったんだ。驚いただろ?それでね。僕は、子供には、どの子供も全員に、ギフト(才能)があると思う。あなたたち(香穂と私)が思う渡のギフティッドは何と思う?」

と聞かれたので、私は、

「美人を見つける能力かな?あとは、自分の意思を通すところ。」

と言ったら、先生爆笑。香穂は、

「まったく関係ないCDの音楽とビデオの漫画を一秒の狂いもなく、あわすことができる」

と言ってました。先生は、

「香穂のいうことは、すごいギフトだ。僕は渡の集中力は、才能だと思う。ドラムをやってるときの渡の集中力は、すごい。」

と褒めてくださいました。突然、あいさつもせずに、ドラムを叩いたことは、怒らずに・・・です。(けど、おちついたら、きちんとあいさつをすることも指導してくださいました。これもすごい。)先生は、小さい時から学校でわりと自閉の子供と接していて、大きくなって、自閉に興味を持ち、いろいろ勉強されたとのこと。渡以外にも2名の自閉が現在通っているそうです。すごい。こんな先生と、たった1回の電話で知り合える渡の強運は、すごい。

火曜日にまた会うことを約束して、今日のレッスンはおしまい。火曜日が楽しみです。

けど、自閉を心配していた私ですが、先生が一番心配したのは、私が英語を話せないことでした。香穂が毎週ついてくると話すと、ほっと胸をなでおろしてました。自閉であるという問題よりも、さらに、強く人を不安に陥れてしまった、私でした。