自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

交渉の仕方 アメリカと日本

香穂(日本人学校で中3。アメリカの学校で、高校2年です。)が土曜日のみ通う日本人学校で、3月に学習発表会があります。卒業式の前の週です。担任の先生は、クラスを班に分けて、出し物をすることを望まれて、うちのクラスは、班別で発表をしますということを、学習発表会の担当の先生に出されたそうです。

ところが準備をすすめてゆくうちに、クラスに劇の台本を書くのが上手な生徒が出てきたことと、やはり中学三年の最後の行事(現地の高校が大変なために、高校に進学しない生徒が多いため)で、今後もうみんなが集まれないこともあり、やはり全員でしたいということに生徒の意見が、まとまっていったそうです。

香穂は、日本人学校の高校進学希望組ですが、今のところ、日本への大学進学は考えていないので、中3を最後に、日本へ帰ってしまうクラスメートには、二度と会えない可能性もあるので、やはり全員でひとつのものを作り出したいという気持ちがあったようです。

このことを先生に言ったら、先生は、どうしても譲らず・・。ということは、生徒、担任の先生とも、両者、譲らないので、話は終わりません。

香穂が再度意見を言おうと話していると、香穂が話してる最中に担任の先生から、お声が。

「そのことは、もういいです。班でやります!班です!」

と一方的に、なってしまったそうです。香穂が驚いたのは、ここ。

彼女は、日本に住んだことがないので、アメリカの学校しかしらない。週に1回の学校なので、先生と交渉することもいままでなかったし・・。

アメリカの学校では、先生から生徒が納得していないのに、一方的に

「こうします!」

と言われたことがない。アメリカの学校だと、先生と生徒が話して、妥協点を探すためにいくつかの意見が出され、その中で両者が、納得行くものを選ぶそうです。たしかに、私も、マジメな話し合いというとIEPしかしらないが、私の話を最後まで聞かない場合は、(通訳をとおすので、どうしても遅くなるし、英語で話しても、私は話すのが、遅いので)必ず校長先生が、途中で割り込んだ人をさえぎって、話を最後まで聞くように全員に指示しています。(親に最後まで発言させないのは、違法だし。。)

香穂は、先週にひきつづき、今日も先生に話しをしようとしたけど、その話は、もういいという感じで聞いてもらえなかったので、アメリカ式で、教頭先生に話しにいったそうだ。すると教頭先生が、すぐに席を儲けてくれて、生徒2名と担任の先生と教頭先生とで話して妥協案が提示されたそうです。

班別の発表の時間を短くして、全体発表の時間を長くするというものだったそうです。

すばらしい。こういう話し合いができる環境があるってすごいな。香穂は、

「得意じゃない言葉(彼女は日本は3週間ほどしか行ったことがない。旅行程度です。)で、アップセット(感情的になっている)している大人と話すって、疲れる。ただ交渉しようというだけなのに、どうして、あんなにピリピリするのだろうか?」

と不思議がっていました。たしかに・・。けど、日本語でよく交渉できたと思う。

子供って成長するもんだな。