自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

渡の歯医者の日です。

今、日本から、いらしているお客さんも一緒に歯医者に行きました。

ここの歯医者は、最初に来たときに、看護婦さんがツアーと称して、院内の部屋という部屋、棚という棚の中をすべて見せてくれました。

これは、予約の時に自閉だと話しておくと、やってくださるようです。

渡としては、すべてみて、おもちゃまでもらったら、わざわざ、院内の棚まで、あけてもらう必要もなく、ツアー半ばで

「もういいよ。開けちゃダメなところを開けるのは、おもしろいけど、開けてもいいところは、おもしろくないので、別に無断で開けないよ。」

と言う声が聞こえそうなくらい、後半は、ダルダルしてきていました。なので、ここの歯医者は渡にとっては、安全地域。初回の診察の時は、完全個室もしくは、ついたてのようなもので区切られているセミ個室か選びます。もちろん、最初から大部屋のような(OPENな)診察室がいいといえば、そこにもいけます。渡は、初回は、セミ個室を選んだものの、おちつかず、完全個室で診ていただきました。

今回は、なれたこともあって、大部屋というか、うなぎの寝床のように並んだいすに並んで、看護婦さんに歯石を取ってもらったり、レントゲンを撮影してもらいます。

今日は、担当看護婦さんが、渡好みの超美人!彼は、スキあらば、先生の手を握ろうとしたり、HUG(抱きしめる)したりしようとします。私に

「渡、お約束は?」

と言われると看護婦さんが

「いいわよ。(渡が自閉だということは)わかっているから。お母さん、

そんなに緊張しないでリラックスして、見ていてね」

というのだけど私は、自閉だから、緊張しているのではなくて、渡が美人好きで、ナンパするから緊張しているのですが・・。

最後になって、少し痛い部分になると看護婦さんの手を握って自分のホッペタにもってゆき、

痛いのでさすってというのをします。ウソだね。あんたは、痛みには、強いし、鈍いよ。

看護婦さんは、

「あらぁ。そんなに痛かったかしら?かわいそうに。大丈夫よ」

といいながら、渡のホッペをさすっています。ずるいヤツ。

でレントゲン室へ。リクエストにすべて答えて、レントゲン室ですべてのことを終えた渡は、看護婦に向かって、HUGします。ここは個室なので、ママがみていないと思ったらしい、看護婦さんも

「えらかったわ。とても私は助かった」

というようなことをいって、HUGしてくれました。その現場を私にみつかり

しまった!という顔で、

「ゴメンネ~!ママ!」

という渡。歯医者さんも渡を褒めちぎり、虫歯もなく、無事に歯医者を後にしました。

お客さんは、

「渡君が、女の人をナンパするというのをゆみさんの講演会で聞いたけど、イマイチわかりませんでした。けど、今日、わかりました。あれは、ちゃんとしたナンパです。」

ということでした。ほんと、渡の美人好きには、困ります。