自閉症 渡の宝箱

自閉症の渡が、日々起こす騒動や療育についてとシリコンバレーでの起業、生活を綴っています。

人生という名の手紙

11月19日のブログで、Shimizutakaさんが、コメントで紹介してくれた本を読みました。

人生という名の手紙

人生という名の手紙

これです。

原書は、これで私は、購入しました。

ところがアマゾンから本が着くなり、香穂が見て

「あっ、これおもしろそう」

と香穂の手中に・・。彼女いわく

「すごくやさしい文章を書く人だから、ゆみちゃんは、絶対に早く読んだほうがいい」

と勧められました。結局、原書は香穂が持っているので、日本のアマゾンから、取り寄せたのですが、アメリカのアマゾンより早い配達で、注文から70時間で到着。

あっという間に読み終えました。



設定は、事故で33歳の時に肢体不自由になった精神科医が、自閉症の孫に宛てて書いた手紙が本になっています。




一つ一つの言葉が、体から絞り出てくる言葉で、人生で体験し学んでいることなので、どっしりと重みがあり、言葉が輝いています。


すごいなと一番に思ったのは、

優しくなれるチャンス

という手紙です。

自分の弱さが人々の優しさを引き出している

ということです。

肢体不自由の彼に対して、いろいろな人が彼のことを手伝います。

コーヒーのクリームを入れてくれる人

コートを着るのを手伝ってくれる人

ドアを押さえてくれる人

いろんな人が彼を助けますが、そのことから

「人間は、親切をして、誰かの役に立ったときに幸せを感じるんだ」

ということを彼は発見します。


車椅子から世の中をみれば、人間の一番いいところが見えるけど、悲しいことも見える。

それは、体に不自由の無い人は、彼が、毎日目にしている人のやさしさを見逃しているということ。

元気な人は、自分の優しさを見逃している

これは、渡を育てていて、私が、感じていることに共通していることがあります。

渡は、1歳の時に障害がわかっています。小学校に入る前あたりから、学校の先生が、やたらと渡の仕事を与えたがることをとても不思議に思っていました。

「渡が人のお手伝いをする。担当を持つ」

ということを必死で教えるわけです。

私は、

「渡は人の手助けがいる子供で、人を助ける側ではないのに、先生は、おもしろいことを言うなー」と思っていたのですが、この考えが間違っていたことがわかりました。


というのも、人を助ける。仕事をもつ。という教育(というより思いやりですね)をうけた渡は

小さいときは、パニックになると手もつけられないし、本当に社会のお荷物なんだと思った時期もありました。

ところが、今、渡は、たくさんの自宅や学校での仕事があります。それが、本当に彼の中では幸せで、自信に繋がり、人に優しくすることができている、彼の優しさがでていると思うことがよくあります。その仕事を持つことから、彼は、人を思いやるということを学んできたことがわかります。

これは、後日ブログにあげてゆきます。


仕事がない人は、やはり手持ち無沙汰になるし、居場所もなくなるでしょう。自分自身でシュミレーションしたら、わかると思います。

「職場にいって、まったく仕事がなかったら・・。みんなが、あなたは、大変だから、仕事しなくていいのよ・・。といわれたら・・」


渡は、自分のやり方と自分の思いで、人に優しくしています。渡は学校での自分の仕事が増えるにつれ、おちつき、学校に行くのが楽しくなっているようです。

顔も温和になってきました。



動物界では、弱さをみせれば、相手が攻撃しますが、人間の世界ではそういうことが、人の優しさをひきだすということは、よくあることで、私たちは、人間の世界に生きているので、やはり優しさに包まれているなと思うことが、多々あります。

これは、後日載せてゆきます。

Shimizutakaさん、いいご本の紹介をありがとうございました。

皆様もぜひお勧めの一冊ですので、読んでみてください。